回文短歌(冠(カンムリ又はコウブリ)から読んでも沓(クツ)から読んでも同一文となる歌)で、更に沓冠に或る決めた文字を読み込む短歌を作っています。それを「物の名(モノノナ)」といいます。字義は下記参照。ここでは、沓冠にイロハ順に、今回は「な」。回文ですから、沓と冠は同じで、「な」にはじまって「な」におわる、という趣向です。
[な] 島崎藤村
夏日なか 飛騨の旅かな 笠の緒(を)の
魚(さかな)が飛騨の 旅かなひつな
———なつひなか ひだのたびかな かさのをの
さかながひだの たびかなひつな
———夏の日中を飛騨の旅ですかい。笠に結んだ川魚のマスコットの願いが叶ったというわけですかい。
物の名(もののな):①物の名称。②和歌や俳諧で、物の名を一首のなかにそれとなく詠みこむもの。隠し題。ぶつめい。(「大辞林」三省堂の丸写し)
日本アルプス:俗に日本の背骨(せぼね)といわれ、本州の中部地方にある以下の三つの山脈の総称である。
• 飛驒山脈(北アルプス):富山・岐阜・長野・新潟の4県にまたがる山脈。
• 木曽山脈(中央アルプス):長野県に存在する山脈。3000m以上の山がない。
• 赤石山脈(南アルプス):長野・山梨・静岡の3県にまたがる山脈。 (日本の山の丸写し)
島崎藤村:ロマン主義詩人・自然主義作家。信州木曾の中山道馬籠生まれ。『若菜集』『破戒』『春』『千曲川スケッチ』など。
長編小説『夜明け前』は、「木曽路はすべて山の中である」で始まる。
何ということはない散文の書き出しだが、詩人が書くと妙に印象的である。日干し大根のように言葉が醗酵し始めている。———笠の緒に付けた木彫りの干魚のように。
左腕の帯状疱疹が治りかけたと思ったら、右腕に流感の予防注射の副作用で肩より上に上がらない。昨日は血のつながっていない孫の結婚式(軽井沢高原教会に女房が出掛けたので自宅で留守番しながら、式次第にはライブ配信で参加。便利になったね。あと録画を編集したりカットを追加したりタイトルをつけたり…と趣味の動画編集に一日没頭……とひとりで忙しがっています。
それにしても、ヌクイ日でしたね。今日もヌクそうですよ。流感の予防注射(自己負担)のカネかえせ!