さかしら伊呂波50撰(2)「こ」 有村ひさ女 | ouroboros-34のブログ

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こころに映りゆく由無しごとを其処は可となく書き付けて
ごうなっだのでありますぐるらめ。

回文短歌(上から読んでも下からよんでも同じになる短歌)を作っています。普通の歌人からは外道だとさげすまれていますが、面白がって詠んでいます。カモチャナランヨ。

[こ] 有村ひさ女

木の葉髪 結(ゆ)ひ垣の贄(にへ) 瞥見(ちらみ)にみ     
  埒(らち)へ二の忌(き)か 冷ゆ三河(みかは)の娘(こ)

ーーーこのはがみ ゆひがきのにへ ちらみにみ
    らちへにのきか ひゆみかはのこ
———老婆が柴垣のところを通り過ぎるとき、ちらと鵙(もず)の贄(にえ)が見えた。垣根へ戻って追善の供養をしたものか、酒屋のやさしい少女のこころにかえったこのひとの胸が痛んだのでした。

埒(らち):かこい。しきり。馬場などの周囲の柵。 
有村ひさは無名のひとである。筆者には地球より重い。母だから。
言葉は木の葉のようなものらしい。ひさ女の生前の作より四首、

 ほこらかに春の盛りを謳歌せし
   鉢の花ばな葉のみ残して
 木もれ陽に針かざしつゝ布を縫ふ
   母の手じるし吾子に残さん
 またひとつ年を重ねしことなれば
   知恵の泉のせめて枯れじと
 いちはつの花咲きいでしわが目には
   ことしばかりの春ゆかんとす

私自身は、短歌は一首も作ったことはありません。
今日は私事でごめんなさい。母の日だもんで。