回文短歌(頭から読んでも後ろから読んでも同文になる短歌)を詠んでいます。テーマは世界の有名人です。イロハ順にシリーズになっていて二巡中です。
[さ] ピトクリトス
サモトラケ ニケがひがむは ただ顔が
ダダは無が美か げに螻蛄(けら)とも座(ざ)
———サモトラケのニケはただ頭部が欠損しているのが僻みのタネだ。しかし一方、ダダイズムは、無こそ美の極致だという。もうどうなのかわからないよ。ホント、おれこそ、アタマがオケラ(からっけつ)。
サモトラケのニケ: ヘレニズム期の大理石彫刻。ピトクリトス作。翼のはえた勝利の女神ニケが空から船のへさきへと降り立った様子を表現した彫像である。エーゲ海のサモトラケ島で発見された。頭部と両腕は失われている。
螻蛄(けら):バッタ(直翅)目ケラ科の昆虫。褐色でややコオロギに似ている。前あしはモグラの手に似て太く平たいので土を掘るのに適する。ミミズなどを捕食するほか農作物の根を食べる。灯火にも飛来する。発音器は特に雄に発達し、春秋に土中でジーと鳴き、俗に「ミミズが鳴く」といわれる。季語・おけら(三夏)おけら鳴く(三秋)。また、所持金が全然ないこと。また、その人。(もと、博徒・すり仲間の隠語)