俳句ポスト365兼題「秋晴」、投句しました。 | ouroboros-34のブログ

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こころに映りゆく由無しごとを其処は可となく書き付けて
ごうなっだのでありますぐるらめ。



俳句ポストの投稿、次の通り。10句出しました。この兼題は詠みやすいように思えました。

●Enterをポン秋晴のなかにゐる   「人」位選
原稿を書き終えて最後に「確定」ボタンを押すときの「よし!」という気分はいつも秋晴れです。

●秋晴や少しく風がほしいほど
ちょっと動いただけで汗ばむときがあるのです。季節がタタラを踏んで躓いた感じの秋の風情に共感できる自分が嬉しいのです。

●秋晴やすっからかんの袂ごみ
たもとゴミをはらうとき、秋の日差しのなかにきらきら光りながら散ってゆくチリの美しいこと!いつまでも、何回も何回も袖を裏がえしてごみを払っている自分が可笑しいのです。

●秋晴やスーツに法被ニューモデル
秋は新製品の発表シーズンです。ことしはウイルス自粛で見られなかったけど……
スーツにネクタイの上にハッピを着た社員が嬉しそうにはしゃいでいる光景。秋を飾る恒例の風物詩なのです。

●秋晴や崇神の空もかくあるか
木の葉の散り方も静かでおだやかで。束帯の貴人が笏をもって現れる幻想を抱かせかねない日。一日だけの詩人。

●秋晴や老女を移すあしもとに
敬老の日。お母さんを日当たりのいい縁側に移してあげるのです。自分の心奥もいつもの暗がりから明るい日向に出してもらえてホッとするのです。

●秋晴やバンクーシーの二億円
落書きが落札して、壁をはがして美術館入りなんて!? ウソのような本当のハナシ。

●コスモスひろふ動く歩道の秋晴
時実新子の川柳集を見ていたら次の句に目がとまりました。俳句と川柳の違いに考え耽りました。
 考えているコスモスは薙ぎ倒せ  新子

●秋晴のなか狂女が立ち尽くす
村の辻。這い出てきたカネタタキのように少女が戸惑っています。いつもは座敷牢のようにかくまわれている村長(むらおさ)の白痴の娘が女神のように見えるので、村人も戸惑っています。

●オフェーリア澱めば白く秋晴るる
狂女といえばオフェーリア。西洋人形のように清純な婚礼衣装で川を流れてきます。
澱みで微笑んでいるように見えました。