回文俳句日記6月23日兼題「椎若葉と落ち葉」 | ouroboros-34のブログ

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こころに映りゆく由無しごとを其処は可となく書き付けて
ごうなっだのでありますぐるらめ。

  逝く都市哀史椎アジト崩ゆ
  ———ゆくとしあいし しいあじとくゆ /

我欲の象徴「都市」は必然的に滅び、皮肉なことに「椎の木」を牙城と恃んだアイデンティティーも全く同時に崩壊してゆく。これは「宿命」なのだよ、同志。

短句。椎は、「椎若葉」が、夏の季語なのは当然として、「椎落葉」も夏の季語となっている面白い素材です。枯葉は秋から冬にかけて落ちるのに、椎などは、新葉の生成を待って静かに去るという特異な、ある種、人間的な性格が叙情的に映る。掲句もこの営為を眼目としてみました。