回文俳句日記2月17日兼題「薄氷(うすらひ)」 | ouroboros-34のブログ

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こころに映りゆく由無しごとを其処は可となく書き付けて
ごうなっだのでありますぐるらめ。

  うす薄氷野手風がてのひらすうすう
   ―――うすうすらひ のてかぜがての ひらすうすう /

薄氷(うすらひ):うつくしい季語の一。あれ?水の表に波が立たないな、と思ったら薄く氷が張っていて寒の戻りに気付くという経験。誰しもあることでしょう。それを詩語でとらえた。
野手(のて):原野など村落の入会地(いりあいち)。

入会地の解け残った氷のほうから風が渡ってきて手袋をぬいだてのひらにすうすう触れてゆく。

  ●薄氷吸ふ雫に崩し附す微裸数
  ———うすらひすふ しづくにくづし ふすびらすう

薄氷(うすらひ):解け残っている氷。また、春先に寒さが戻りうっすらと張る氷。
薄氷が水へと吸い取られ雫になり数えることができるようになる。「自然のデジタル化」。これ、面白いと思いませんか。
薄氷(うすらひ):ウスライとも読むそうだ。「うすごおり」とも読んで同じ傍題。「春氷」「春の氷」。季:初春。