回文俳句日記12月16日兼題「虎落笛」 | ouroboros-34のブログ

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こころに映りゆく由無しごとを其処は可となく書き付けて
ごうなっだのでありますぐるらめ。

  虎落笛システムですし朳かも
  ———もがりぶえしすてむですしえぶりかも /

ヒューッと鳴ってダウンしたのはアプリのせいじゃないね。プロセッサかレジスタにバグがあるんじゃないの?いや、マウスの電池が切れただけでしたよ。

虎落笛(もがりぶえ):冬の強い北風が柵や竹垣に吹き付けて生じる笛のような音。虎落は、虎を捉える竹矢来。
朳(えぶり):柄振り。土を均したり、筵の上にひろげた穀物などを掻き均したりする長い柄のついた農具。
ここでは電子音を、「虎落笛」と古めかしい言葉で表現したので、マウスを轅のついた農具に茶化したもの。

「虎落笛」は俳句専門用語なので、初心者のうちは使ってみたくなる季語の一つ。
いま虎落笛が鳴るような日本家屋にお目にかかることはまず無い。

と思っていたらさに非ず、このあいだ、北一番が吹いたとき、アルミサッシュが一晩中哭いた。
実に奇妙なことと思って、ガラス窓をチェックしたら、家人が年末の掃除をしたあと、換気に1センチほど開けたままにしておいた隙間が鳴っていたのだった。
道理で寒い一夜であった。かいまきの襟より北一から同衾を迫られてうれしいわけがない。音を立ててサッシュを閉めた。家人は居なかった。