回文俳句日記11月5日兼題「時雨(しぐれ)」 | ouroboros-34のブログ

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こころに映りゆく由無しごとを其処は可となく書き付けて
ごうなっだのでありますぐるらめ。

  時雨るるを鏡の三日か折るる櫛
  ———しぐるるをかがみのみかかをるるくし /

時雨も風情があるが、三日も続くと気持ちが塞いでくる。毎日鏡を眺めていて櫛も歯を欠いてしまった。

  ●木場時雨巴の絵もとレクシ函
  ———こばしぐれともゑのゑもとれくしばこ

木場(こば):伐採した木材を集積しておく山間の狭い平地。
時雨(しぐれ):最大重要季語。冬の始まりを示す、通り雨。
巴(ともゑ):風に揉まれて渦を巻いているかたち。
レクシ:ロラン・バルトの『記号学の冒険』にあるテクスト分析で文章を細片化して検討する手法で、この細片を「読書単位(レクシ)」という。
函(はこ):ファイル

木場では時折、時雨が木っ端のうずを巻いている。掌編《部分日蝕》のテクスト分析を試みる。挿絵も添えて《部分日蝕》のテクスト分析中のファイルの中も、レクシが冬の螺旋を巻いている。