回文俳句日記9月27日兼題「玉蜀黍」 | ouroboros-34のブログ

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こころに映りゆく由無しごとを其処は可となく書き付けて
ごうなっだのでありますぐるらめ。

  値たかし玉蜀黍衣しかたなし
  ———しなたかしもろこしころもしかたなし

トウモロコシは実に独特なかたちの稔り方をする。びっしりついた実を皮が抱きかかえるようにくるむ。
人間は身ぐるみ脱ぐところから楽しむという、サド的不思議な愛情の示し方をする。
鹿児島ではトウモロコシを「唐黍の嫁御(トキッノヨメジョ)」という。サトウキビに嫁入りしたということだ。

衣類も高くなった。トウモロコシが粗末に見えるとしても、黍殻を身に纏っているのは素敵で羨ましいほどですよ。われわれも玉蜀黍の皮を紡いで着物にしたてる他ないのかな。

伊勢丹が閉店撤退するという。
閉店セールで家人はハンドバックと靴を買うという。最後だからオレのものも買う予定だという。
なんだろうと思ったら、パンツ二枚だという。手持ち三枚では洗濯が忙しいという。
確かに時々お漏らしするようになったから、まだ乾ききっていないのを穿かされることも増えてきた。必需品かもしれない。
大売出しで家人はハンドバックと靴。オレにはパンツ二枚。
オレは秋の暮れのこのわびしさを決して忘れることは無いだろう。