蓑虫御ちちちよちちち故親の実
———みのむしごちちちよちちちこしむのみ
御(ご):人物を表す名詞に付いて尊敬の意を添える。ここではミノムシを擬人化している。「母御」「殿御」「姉御」
ちちよ:蓑虫は実際は鳴かないが、《枕草子》の記事以来、鬼の捨て子の蓑虫が親を想って「ちちよちちよ」と鳴くことになっている。
故親(こしん):血統。
蓑虫殿は、父よ、乳よと哭いておじゃるが、正統な果実としての慣習の儀式なのでしょうかのう。
古語では、しばしば「ん」「む「」ぬ」「う」間の相互流用が見られます。(例)ンメ→むめ(梅)
ここでは帳尻をあわせるための弁解ですが、「故親」をコシムと読んでいます。誤魔化しといえば、オノマトペもそうですね。スミマセン。