回文俳句日記8月2日 | ouroboros-34のブログ

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こころに映りゆく由無しごとを其処は可となく書き付けて
ごうなっだのでありますぐるらめ。


  蜩が幹待つ間喜美香白首
  ———ひぐらしがみきまつまきみかしらくび

カナカナが鳴いている。…と、芸妓の喜美香が白首で…おまっとさんどす。
ひぐらし:晩夏から初秋にかけて、カナカナカナと響きのある美しい声で鳴く蝉。早朝または夕刻に鳴くが、特に夕刻によく鳴くことからこの名がある。鳴き声から「かなかな」とも呼ばれる。ひぐらし かなかな 朝蜩 夕蜩 宮蜩

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昨日、最愛の弟、隆が死んだ。
弟から読むように送られてきた本を、やっと最後まで読み、贈られた理由がわかり手紙を書こうとしていた矢先の訃報だった。

信金に出かけ香典に十万円引き出した。烏の尾羽が一メートル離れて二本落ちていた。
弟は詩人だった。
急に悲しくなった。
節電のため明かりを半分消している図書館に寄り、薄暗いロビーでひとり涙を流した。
烏の羽は帰りも往くときのままの形で残っていた。