俳句ポスト365 第195回 兼題〈虹〉投句自解 | ouroboros-34のブログ

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こころに映りゆく由無しごとを其処は可となく書き付けて
ごうなっだのでありますぐるらめ。

俳句ポスト365 第195回兼題〈虹〉の投句全16句
身近なテーマだったので、たくさんできました。

●裏店の竿洗ひざらしの虹かかる 
 いろいろな場所に懸かった「虹」が出ていましたね。海・摩天楼・墓(これはしょっちゅう目につく題材ですね。葬儀場とか…)・飛行機・故郷…さすがに、「裏店の物干し」はなかったけど。

●さっぱりと水争ひを統べる虹
雨ごいの仲立ちとしての「虹」という着眼です。「虹」もきれいだけじゃなく「仕事」があったのです。

●にはたづみ油膜に虹をひそめたる
兼題「虹」の本意からソッポでした。油膜の虹・ドロっぷすや硝子玉や、要するに噴水やホースのしぶきでできる虹はこの主題の「虹」ではないのです。

●片虹や裾廻の垣に隠す影

●片虹や片足ずっぽり牟田のなか      「人」位選
 牟田(むた):無田。湿地帯で深いところでは腰まで浸かる底なしの田。沼田。下五は、はじめ、「蓮池田」でしたが季語との関連もあり、この際、場所を九州地方に特定しました。「片虹」もほかにありませんでした。

●差し渡し三十三尋ほどや虹
「大きい虹」だった、といっているのです。サ行のコトバ遊びでした。

●虹やふたへ里に水引かけるごと

「二重の虹」を称えてみました。そして「水引」に例えるときの連携語にもしました。「水ひっかける」と読まれはしないかと屈託しました。
「水引」は白黒だけではないのです。金や銀や赤や…

●売り子はイリス虹のワゴンはリボンの輪
すこし勉強した結果を詠みたくてでかしたのがこの句。虹をイリスといいます。虹の売り子のイリスさんはなにを売るのでしょうか?リボン以外にありませんね。

●虹は童女ねんりん層のななへやへ
木の年輪はイリスの輪…

●あゆゐいんゆゐいんと虹全天に
これ、イチオシの句でした。が、残念、ボツ。

●虹天秤棒しなふほどに重きもの
虹の両端が垂れているのはなにか重いものが端の籠の中に入っているからでしょう。それはなに?

●平成の掉尾と知るや虹の門
平成がもうオシマイなこと虹は知っているのかね?

●立ち納め平成の虹たをやぎて

そりゃあ知っているとも。立ち納め、ちょっと心残りしますよねえ。

●平成の虹見納めとなりにけり
同工異曲三題…

●平成を架け収めたる虹の円
いや、四題でした。平成最後に随分拘りましたが…

●虹の色八番目から空真青
 民族によって虹の色数が異なるそうです。ニホンは七色八番目の色からブルースカイ。本当は虹のいろよりもここの境目がもっとキレイなのです。

●白イ虹朕ハ白馬ニマタガッテ       「人」位選
 黒い雲に陽がさして淡い虹がすけていた。昭和天皇が軍装で白馬に乗って颯爽と現れた。忌まわしい思い出です。「白虹」は傍題にはありませんが、「虹」と同じ物理現象です。で、使ってみました。が、「白虹」そのものはイメージ的に普通の「虹」とはちがうので「虹」の表情として描写しました。

●原発にスカスカの虹放水路
ゲンパツぶっこわせ!という政治メッセージ。


以上、お退屈様でした。