俳句ポスト365第192回兼題「蟻」に16句出句しました。
身近な対象なのでほとんど解説はいらないと思います。
ではごらんください。題して、ウロ鉄道㈱監修「路線表」。
●払ふ払ふ蟻が眉毛についた灰
灰がこのごろ恐ろしい。時事路線。
●蟻の列俄かにせわし雨の風
オーソドックス路線。車庫入り。
●東西南北蟻フェロモンの鼻会釈
川柳路線。
●屈辱と失意のひと咬む蟻無心
見え見え路線。単線転轍待ち…
●マンモスを三日で無にす蟻蹲踞
図鑑路線。
●せわしなく掃苔してや蟻一人
掃苔(そうたい):名家の墓石を探索して刻まれた文言を記録する趣味のひとつ。けむ巻き路線。
●かいぼりや心字池はや蟻の道
かいぼり:季語「夏」季語ダブリ挑戦路線。
季語にも季節感の強弱があり、「かいぼり」は強いほうなので禁じ手のようです。しかし見渡したところ、この句が最も気取りやてらいのないウロらしい句です。
●坪庭やここサバンナを蟻疾駆
箱庭路線。
●昂然と前方見据うる蟻のあり
少年俱楽部路線。アリのアリをどこかで遊びたかった。ありゃりゃ…
●三級河川渡りあぐねて蟻になる
現代俳句路線。
●蟻の帰依五体投地は噓だった
おとなのメルヘン路線。
●蟻という将棋の駒の多さかな
苦し紛れ路線。
●蟻さりく五体投地もそこそこに
おとなのメルヘン路線バージョン2。「さりく」:歩き回ること。
●墳墓一基蟻百億の塚宿す
夏井路線。
●朝まだき蟻語初級のラジオ聴く 「人」位選
!(^ޒޓޱ߁߃߄ޤ"-)!路線。月~金am8:15から第二放送。テキストは書店でお求めください!
●紙めくる音を残せり蟻の糞
ウロ本命いいね!路線。