こんな「連句」はいかがかな。
「連句」についてはこのブログにある小説《暮るる奥》(第六章 三蘖歌仙 3ページ)に詳しい。
三句で成就する最も短い連句を「三ツ物」というが、更にこの長句五・七・五、短句七・七、長句五・七・五の計四十八文字をいろは四十八文字で余さず残さずに構成する、名付けて「四十八鷹三ツ物」を試してみませんか。
発句は子規。今回は、滅多にない機会なので前回の 〈子規のクローバ その1〉 の別バージョン(当ブログ掲載の小説『暮るる奥』第五章 またうすぐらいわがエクメネに 39ページより引用)をご紹介します。比べてご覧下さい。
ではどうぞ。
御仏に供へあまりの柿十五 子 規
終る節会や老いもでろれん 忘 冬
衾寒く寝ぬ夜冷えゐつ山桜桃 淡虹舎
よみ
発句 みほとけにそなへあまりのかきじふご
脇 をはるせちゑやおいもでろれん
第三 わたさむくねぬよひえゐつゆすらうめ
いみ
発句 ことしも御所柿を随分頂戴した。ゆたかな秋が茅屋に満ちている。
脇 「でろれん」はでろれん祭文の略。ほら貝を吹き錫杖を打ち鳴らしながら説教祭文を語るもの。
ことしも無事に門付けをすませることができた。さりながら老いの衰えがひしひしと身に沁みるようになったことである。。
第三 今夜は寒くて寝つけそうにないが庭のゆすらも寒さに耐えて春の訪れをひたすら待っていることだろうなあ。
『柿』の秋から春の気配への移り。
さて、このように十人いれば十通りの変奏曲が生まれそうですね。出勝(でがち(それぞれ句を出し合って甲乙をつけるゲーム))も座の一興。
まだつづけられそうですので、あと何回か子規でやることにしましょう。