消費税が10%にアップする。しかし―――
はたして消費価格は10%のプラスで収まるのだろうか?
収まらなかった。どうもヘンだよという体感経済のほうが正しかった。
それが下記の計算書である。
設例
100円の仕入れ商品を130円で販売する。利益30円 差益率30%(粗利23.0%)
このケースでは、
消費税 仕入原価 販売価格 販売差益 差益率(カッコ内粗利)
0%では 100円 130円 30円 30%(23.0%)
(130-100)/100
((130-100)/130
10%では 110円 143円 20円 18.8%(15.4%)
100+10 130*(1+0.1) 130-110 (130-110)/110
((130-110)/130)
つまり販売価格を維持すると(値上げをしないと)粗利が目減りして業者がネをあげる、
趣向だ。
自衛のために、この目減り分をカバー、上乗せしなければならないが―――
方法1として、「差益率30%を維持する」ことにすると、
10%では 110円 157.3円 33円 30%(23.0%)
つまりのつまり消費者は、消費税10%を負担するのではなく、21%(157.3/130)ものアップを
余儀なくされるということになる。
これは業者も消費税分を積み上げたことになる。((143-110)/(130/110)=1.19)
これには業者値上げ(143-130=33円)も入り、便乗値上げの誹りを免れないので、「率」ではなく「額」のほうを確保することにするとして、
方法2として、差益額30円(130-100)を保持することにすると、
10%では 110円 154円 30円 27.2%(21.4%)
これでも業者の粗利ギリギリ21.4%に下げたにもかかわらず、消費者の値上げ率は10%ではなく
19%(154/130)となってのしかかってくる。
消費税10%アップは実質19%のアップである。
赤字経済の阿房宮はインフレを起こしたがっている。
手口が巧妙だから惑わされないようにしよう。