ギリギリの寸劇 | イギリス4人暮らし

イギリス4人暮らし

イギリスの片田舎で、フルタイム勤務。
夫と二人の子どもたち、犬二頭と猫、雌鶏たちと暮らしています。

この度、二年半ほど勤めた職場を今週で退職して、来週から新しい職場に勤めることになったのですが、ギリギリになって、めちゃくちゃ色々とありました。


長くなりますが、よもや似た状況の方の参考になるかもしれないので、書きます。


結論から言うと、無事に当初の予定通り仕事始めを迎えられることになりました。

ギリギリのケースです。



*



もう何年も前から、BRPカード(Biometric Residence Permit)が無いと、就労できなくなる等の噂は耳にしていました。


私は、2010年に配偶者ビザで英国人(半分ドイツ人)の夫と日本から渡英し、2012年にIndefinite leave to remainを取得して、旧パスポートにvignette、いわばステッカーのような査証がドンと貼ってある状態です。


日本帰省など、出入国する場合や、現職場に就職が決まった時などは、現旧のパスポートを2冊提出していました。

それでこれまで何の問題も無かったのですが、、、


事の始まりは、二週間前。

新しく勤める職場から送られてきた契約書などの必要書類にサインして送り返し、オンラインのスタッフポータルに必要情報を登録したら、次はシェアドライブに以下の書類をアップロードするように、と人事から連絡がありました。


税金関係の書類だったり、給与払込に必要な銀行口座の情報だったり、ダイバーシティ(多様性)を明記する書類だったり、、

そのリストの一番上に、英国人以外はRight to workを証明するための書類、とあったので、現旧のパスポートの然るべきページをスキャンしてアップロードしておきました。


すると、翌日人事から返信があり、Right to workの証明にはShare codeなるものが必要になった旨と、パスポートのコピーではもう受け付けられない、と。


ご丁寧に政府のサイトに飛ぶURLが貼ってあり、読んでみると、件のshare codeを取得するには、いくつかのルートがあるけれど、私の場合はどうもBRPがいるらしいことが判明。


ただ、その政府のサイトには、然るべき書類の原本でも可、とあったので、そこをスクショして人事に再度投げました。


と同時進行で、BRPカードを申請することにしたのですが、Apply Now的なタブさえ見つからない。

この場合→この場合→と読み勧めても、拉致があかない。

もはや嫌味としか言えないレベル。


Share codeが必要らしい、それにはBRPが必要らしい、の件から落ち込んで私に謝ったり(マジでこんな国でごめん、、)激怒していた夫もここで参戦してくれ、でもやっぱりどう見ても私のケースに当てはまる申請開始タブが見つからない。


人に聞くのが嫌い、電話はもっと嫌いな夫ですが、ホームオフィス(内務省)に電話する!と問い合わせ。


たらい回しにされ、3人目で私の状況を即座に理解してくれた人に当たり、その人に「あなたの場合は、申請ではなく既に持っているindefinite remain to leaveステータスの“移行”に当たる」(いや、そりゃあそうでしょうよ、、)と、教えてもらったネット上の窓口から申請開始。

ココです。 



更にこの時、BRPの発行を待たずに、申請書にあるUAN(Unique Application Number)を雇用先に伝えたら、雇用先がホームオフィスに問い合わせてRight to workのチェックが公式に出来ること、よって、私の場合、仕事始めを遅らせなくても良いことも聞きました。


その日の午前中には、Indefinite leave to remainを取得した年(私の場合は2012年)から毎年の私の居住証明に使える書類をスキャン→アップロードし(4回引越していますが、我が家はほぼカウンシルタックスの支払いでカバー出来ました。夫がファイリングして、書類を保管していたおかげ)、パスポートや免許証など、他の必要書類もアップして、私は指紋採取などのアポを、翌日のマンチェスターで抑えました。


申請自体は無料ですが、アポは有料。

ここでまた夫婦で激怒(Scam(詐欺)もええとこやんか!Indefinite leave to remainが聞いて呆れるわ!)。

遅延などのリスクのある電車で行くので、139ポンドの一時間枠ではなく、午前中括りの210ポンドにしました。


これが、月曜日。

昨日の火曜日、子どもたちの朝の送りを義母に託して、夫に駅まで送ってもらい、マンチェスターに行って来ました。


案の定、電車は二本キャンセル。おーい!

なんとか辿り着いたら、アポ自体は10分とかからず。

パスポートを確認され、顔写真を撮り、指紋登録をして、少し世間話をしただけ(文句タラタラにならないよう必死。ここの人に言っても何もならないし)で終了。


昇龍のとんこつラーメンを食べて。

辻利で白玉パフェ(最高!)を食べながら、まだ返事のない人事に、URNも含めて現状報告メールを送りました。
もし勤務開始が遅れるなら、早く直属の上司に報告したいから、早めの返事を求む、と付け加えて。


出来ることはすべてやった。

これでも尚、BRP取得からの、Share codeを取得しないと働き出せないと新職場が言うなら、全て揃うまで、人生の休憩期間と思ってのんびりしよう。

と、ようやく晴れ晴れした気持ちに。


人事から、その日(昨日)のうちに早速ホームオフィスに問い合わせたこと、5営業日以内には返事があるはずだけれど、恐らく仕事始めを遅らせる必要はないこと、返信がありました。


そして今日の朝イチで、ホームオフィスからRight to workを保証する旨の連絡があったので、正式に19日の月曜日から働けると人事からメールが。


What a drama!でしたが、なんとかなりました。


BRPカードですが、2024年度末で廃止になり、その後はデジタル化されるそうです。

これだけ苦労して(特に夫がw)、また同じような申請もしくは移行プロセスが必要だったらと思うと恐ろしいですが、これが外国人として今の英国に住むという現実。


こういう煩わしさから逃れるために、英国籍を取得してしまいたいけれど、そうすると二重国籍を認めていない日本の国籍を失ってしまうので、もちろん願い下げ。


なんとかならないものかな。


おまけ。

トラム大好きなリュウへのお土産写真。

マンチェスターはやっぱり都会でした。