今日はコスメ以外の話。
興味のない方はスルーしてください。
かつて私は大学院生で、研究者を目指すヒヨッコでした🐣
唯一苦手な分野を克服したくて、とある研究室を選び、
研究が楽しくなって修士に進んだ。
修士から始めた仕事が面白い話になって、2年でトップジャーナルに掲載。
まだまだ続きがやりたくて迷うことなく博士へ進学。
学振も採択されて、
順風満帆すぎる日々だった。
学会発表も何度もさせてもらって、
大きな学会で口頭発表にも採択されたり、
班会議にも参加させてもらったり、
本当に素晴らしすぎる院生活だった。
あの時、
いろんな経験をさせてもらって、
いろんな方に出会うことで、
幸せに感じる反面、
今思えば、自分のいた場所はレベルがとても高い環境で、
その高さがフツー(むしろ世の中にはまだまだ天才がいる)になっていて、
自分に力がないことを毎日肌で感じていて、
努力しても全く追いつかないことを嫌というくらい思い知らされた。
そして私は博士課程修了とともに、研究をやめた。
どう頑張っても、周りに追いつかない。
ましてや世界の天才たちには足元にも及ばないことが分かったから。
あれから6年。
同じラボにいた人たちはちゃんと独立し、
ものすごい論文を出して世界レベルで素晴らしい研究をしている。
あの時「このレベルにどうあがいても自分は追いつけない…」と早くに気づいた私の「気付き」は間違いではなかった。
やはりそれだけレベルは高かった。
でもこうして6年経って、
あの時以上に、やはりレベルが高かったことを今の現状が物語っている。
博士課程の終わりに近い頃、
学会で出会った同じ学生さんたち。
自分よりもずっとレベルが低いのに、ポスドクとして続けていくというから驚いたのを思い出す。
ポスドクに進んだのは、
本当に高いレベルの人(まだ研究途中の人)と、
そうではない人(もしくはまだまだやりたい人?)。
研究を続けていくためには、ある種、気づかないこともキーになる。
自分の実力に気づかないこと。
高いレベルを目指すことなく、自分のできる範囲で楽しく追求すること。
私も気付きもしなかったら、そのまま続けていたと思う。
私の選択が間違っていたかどうか、
正直6年経った今もわからない。
でも時々ふと思うのが、
レベルの高いところにいて少し麻痺していたから、辞めなくてもよかったのかもしれないな…笑
とも思うこと。
就職してすぐの頃は、
「そういえば、あの学生さん(私のこと)はどこへ行ったの?」と聞いてくれる方もいたらしい。
あの分野ではちょこちょこと顔を出していたから、覚えていてくれる研究者の方がいて嬉しかったのを覚えている。
もう忘れ去られていると思うが、
私はそれなりに元気に生きています。
また何かのきっかけで研究に目覚められるチャンスを探しながら。
そんなチャンスはもう来ないかもしれないし、それでもいい。
どんな道に進んでもそれなりに楽しく生きているから。
でも思い出すと、とても濃密な時間だったと、
再確認せざるを得ないなと思う次第です。
未練なのかもしれないけれど、
あの時やれることは全部やったから、
不思議と後悔はない。
あー、あの時、旅先で気になったお店に入っておけばよかったなー!
くらいの感覚。