日本語が亡びるとき - 水村 美苗 | Oumi Blog

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面白かったDVDとか本とか。はみだしもあるよ。

日本語が亡びるとき―英語の世紀の中で日本語が亡びるとき―英語の世紀の中で
水村 美苗

筑摩書房 2008-11-05
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インターネットで賛否両論盛り上がっているので、読んで見ました。日頃、英語と日本語にはさまれて仕事している自分にとって、何かしら得るものがあるかと思いつつ。結論からいうと、近代日本文学の歴史と国語のなりたちについて書かれた前半(ほとんど全部)は、実にためになりました。門外漢の私としては新鮮に日本語や近代日本文学についての知見が実に深まりました。なかでも、大学は大きな翻訳機関だったという考察はなるほどです。

ところが、後半になると一転して、ちょっと押し付けがましい感じに。日本の国語や文学の歴史を理解したあなたはどうしますか?という終わり方ならいいけど、日本語絶対主義的な話に移ってきて、「?」がたくさん浮かびました。例えば自動翻訳では文意を訳すことはできないとありましたが、文意を理解するのは読者が文脈から推量すればいいのであって、翻訳機にそれをやらせようという前提自体が微妙だったりと。

とはいえ、全体としては読んでよかったと思えるものでした。古典文学がいろいろ紹介されていたので読んでみようっと。
<はみだしblog>
私が在学していた頃も第二外国語と称して、フランス語、ドイツ語、ロシア語からどれかひとつを選択しなければならなかった。なぜかドイツ語を選択したけど、もちろん何の役にもたってません(笑)。今の大学はどうなっているのだろう?