帝国歌劇団の舞台公演を扱う「ドラマCD」の第一期シリーズで、各話のエンディングに流れる歌。
 サクラソングでは初の男声パートのある曲で、また男女パート共に様々な人が歌った歌でもある。
 夏公演「愛ゆえに」と秋公演「愛はダイヤ」では大神隊長と主演女優のさくら・すみれがそれぞれデュエットしているが、冬公演「つばさ」の回は紅蘭、春公演「シンデレラ」ではアイリスが歌を担当している。
 男役のマリアとカンナは間奏でのナレーションを担当。
 またドラマCDのほかにも、セガ・サターンのファンディスク「蒸気ラジオショウ」でエンディング曲として使われていた。

楽器編成
 マンドリンと思われる高音の撥弦楽器のトレモロ奏法が印象的。
 サックスパート、金管パート(ほとんど聞こえないがイントロでリズムを刻んだりブラスの厚みを増したりしているようだ)、弦楽パート、エレキギター、エレキベース、ピアノ、シンセ、ドラム、パーカス(コンガ、タンバリン、シェーカー、ヴィブラスラップ)と、かなり大きな編成になっている。

ボーカル音域
 女声がG3-E5と広めで、男声はE3-E4と狭く、男性のサクラファンにとって歌いやすい音域になっている。
 (もし男性がぜんぶ一人で歌う場合でもB2-E4で、声の出しやすい音域に収まっている)
 この曲以前には男性が歌うサクラソングがなく、その後も男声の曲は高いテノール音域がほとんどなので、この曲は一般男性も歌えるサクラソングとして長く重宝されている。

調性とテンポ
 ホ短調ではじまりサビでホ長調に転調する、華やかで広がりのある展開。
 テンポは136BPM、測るとわずかに遅いので、リズムマシンなどではなく指揮でテンポをキープしていると思われる。

田中公平・下成佐登子歌唱バージョン
 最初の歌謡ショウ「愛ゆえに」で、電車移動中の大神隊長が酔客と戯れるシーンの背後で唐突に流れるバージョン。
 このシーンではオーケストラピットの人々が動いてない(公平先生に至っては舞台を見ながら手拍子している)ので、録音したものが流れていると思われる。
 下成佐登子さんはガオガイガーのエンディング曲「いつか星の海で」を歌った人。
 歌詞は他のスタジオ録音版と同じだが、間奏ナレーションが入らない。

大神・かえでバージョン
 大神隊長役の陶山さんが舞台で初めてこの歌を歌ったのは2001年の(最初の)新春歌謡ショウで、藤枝かえで役の折笠愛さんとのデュエットだった。
 大神隊長は劇場ではあくまでモギリであり、歌劇団の舞台には登場しないため、「持ち歌」なのに歌謡ショウの花組公演のシチュエーションでは歌う機会がなかったのである。


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