しばしばですが、
私の武術の道場の練習生募集について、
興味のありそうな人から
「僕(私)は何もしていなかったんですけど、
そんな自分でも習う事ってできますか?」
という質問を受ける事があります。
とは言われましても、
実際に体験にまで来てくれるような人なんて、
今までほとんど見た事ないですけどね(苦笑)
そこに対して私の道場では、
・武道未経験の人
・過去に違う武道を少しやっていたけど今現在何もしていない人
を対象としていれば、
むしろそんな人達を求めている訳なのですよ。
というのはなぜなのか、
という点で挙げておこうと思います。
まず未経験で何もない人の方が、
教えた通りに忠実に稽古に没頭してくれるのですね。
余計な事をしないので、
最初は時間が掛かっても最終的には
最後まで素直に上達してくれるのですね。
一からの素直な人を教えていて、
地道に上達していってくれる姿というのは、
指導者としても成長を見守る幸福とでもいうのか、
気分の良いものなのですよ。
ただ、未経験だから必ず良い訳でもなく、
稽古に関係のないどうでも良い事に力を注いで、
私に媚びては他の人を排除しようとしたり、
他の練習生に敵意や対抗意識を持つような
性格に問題のある人はダメですけどね。
私自身は道場を開きたての
最初の5年ほどの間といえば、
いろんな武道の段をたくさん持っていて
15年ぐらい違う武道をやっている人とか、
他の武道を30年以上やっていて高段位で
自分でも道場をやっているとか、
そういう人ばかりが集まってきたのですね。
もちろん最初は何もしていなかった人と違い、
恐怖心もなく身体能力も高く、
部分的には秀でている面もあったりして、
未経験の何もやっていなかった人とは
当然差があります。
そこに対して人間というのは、
年齢が同い年の同性の人に対してとか、
ほぼ同期の人に対して、
何かと敵意や対抗意識のようなものを
持ちやすかったりするものです。
いろんな意味合いで
同じ扱いにする訳にもいかない為、
未経験の同期の人が対抗意識などを起こさぬよう
配慮して過去に他の武道を熟練していた人には
様子を見た上であらかじめ未経験の人に
最初に渡す級よりも一つ上の級を渡しておいて、
調和を保っていました。
しかし、違う武道を同時にやり続けている人になると、
最初は良くともだんだん伸び悩みが出てきては、
指導通りに練習しなくなっていきます。
割り切って別物としてできなくなっていくのですね。
さらに他所の武道を新たに手を付けだしては
本人自身が自分で何をしているか分からなくなり、
他所の内容を混ぜては他所の不満をこちらで、
こちらの不満をあちらで出しては
どちらにとっても迷惑な妨げへと
変わっていきます。
過去の固定概念や理論を捨てられないのか、
経歴へのプライドもあるのかどうか、
そうなってしまうのでしょうね。
もちろん最初から最後まで素直な気持ちの人なら、
違う内容を混ぜずに過去の経験の武道は別物として
割り切った上でやってくれるので、
むしろ未経験の人が絶対に追いつけない
異常な上達の速さの底なしで、
指摘されたらその場で改善して身に付いて
できるようになっていたりもします。
そういう人はまずそういう事態に陥らないのですが、
そんな人は極めて稀な希少の存在であり、
本当の天才とはそういう人を言うのだろうなぁっと、
それ故にそんな人はまずいない訳です。
どっちつかずの中途半端で向上できず、
いろんな違う武道をたくさん習うも
年数の割にはどれも段は段でも初段終いの
初段コレクターみたいな(苦笑)
そうしているうちに
未経験だった人にいつしか追いつかれていき、
そこに対して気持ちが追い込まれるのか
受け入れられずマウント行為に走ったり・・・・。
私は他の武道をやっている人には、
「入門をお断りする訳ではないけど、
他所の内容や他の先生の事は一切口に出さない事。
あくまでも私の指導の通りにやると同時に、
他所での内容を他の練習生に教え付けない。
または他の人が求めてもいないのに、
一方的に他所の内容を押し付けての勧誘行為と
見受けられる態度をとられた際には
退場してもらいます。
そこは常識のモラルとしてご理解の上でなら
歓迎します。」
とあらかじめ告げるようにしています。
中にはSNSやYouTubeの投稿とかでも、
顔出しOKの人とNGの人はもちろんいると思いますが、
そんな中でも
「先生の道場生として公開されるなら光栄です」
って人と、
「自分は他流の師範で道場もやってますから、
人の下で習ってるなんて知られたくないので
出さないで欲しいです」
みたいな人、
どちらを大事に想うかなんて
言うまでもないですけどそんな人もいた訳です。
他にもいろいろあって、
これは私の道場ではありませんけど、
過去に大きな事件があったらしいのですね。
2種類の違う習い事の教室を
やっている人がいたそうです。
そしてその人は、
人数の多い昔お世話になった先生の道場で
勧誘行為をしたかと思われれば、
ほとんどの人達を自分の道場に引き込んで、
挙句違う習い事に入会させては
その先生から生徒を奪ったかのように
辞めていかれた人が相次いだそうな・・・。
はたから聞くと、
自分の力では生徒を集められないからといって、
たくさん生徒のいる先輩指導者の生徒を連れ出して、
違う習い事に入会させてそちらを拡散させる為に
この武道をやってたのですか?って感じで、
印象として最悪ですよね。
その程度で去られるとしたら、
奪われた側の指導者の人望や技量が
足りなかったのでは?と問われてもなんとも
言えないものの・・・。
個人的な好き嫌いはさておいても
そんな礼節を無視した失礼極まりない事を
平気でできる神経もどうかと・・・。
私のもと生徒だった人も、
その人の道場を勧められた事があったらしいですが、
「同系統と見受けられる内容の
異なる教室を同時にやってる指導者なんて、
あまり良い印象ではないので
柳生先生の道場を選びました。」
というような人も昔いた訳です。
他にも、同門内の道場へ行っては
自分の先生の道場へ勧誘するような
よく分からない事をしていた人もいたとか、
同門同士間での派閥を感じさせられたとか
いろいろ聞きます。
人としてどうなのかな?っとか、
私とは違う人種だなぁっと同時に、
絶対に関わり合いたくないよなぁっと、
信じられない事件が多々あったようです。
雑音もなしに毎日会社の仕事に追われ、
亡き師に教わっていただけだった頃が
いかに平和で余計な事を考えなくて良かったかが
身に染みて感じさせられたものでした。
私はそういった意味合いから、
同門であっても派閥感を感じさせられる
他の道場関係者とは極力距離を置いてきました。
余程信頼できる師範の生徒であるか、
自分の意志で習いに来た人を除き、
一切関わり合わないようにしているのです。
仮に私が大嫌いな人であったとしても、
他の先生から生徒を取るような行為だけは
絶対にしたくはなく、
同時にそこにはプライドもあり、
何よりも恩義も大事にしているからです。
例えどんなに生徒が増えなかったとしても
この手で一から開拓していき築き上げていこうと、
同時に他の師範の派閥や面倒ごとには一切関与しない、
そんな決意の上での亡き師と病院での
最後に誓いのもとで大阪で道場を開いた訳です。
それにやはり一から自分の手で育てた人の方が、
愛着も湧きますからね。
武道の指導者になると、
ただ道場を開いて教えているだけ
というようなものではなく、
いろんな面で神経を使う訳です。
まず誰の助けもなしに一から築こうとすると
なかなか人が来ないのは事実です。
だからといって卑劣な事はやりたくないし、
習う人も人間であるからこそ感情もあって、
ただ教えて指導通りに習って帰ってくれるだけ、
という一筋縄ではいきません。
生徒が1人しかいないまま続くと、
自分だけを特別みたいな勘違いに走り出して、
新しい人が増える際に排除的な態度をとりだして
自分だけの環境を維持しようとするような人もいます。
生徒同士の間で私が見ていない所での
陰険なやり取りやいじめもあるので、
いろんな方面に意識がなければならないのですよ。
ただ自分の腕が良いからと言って、
教えるのが向いてる訳ではなく、
その逆もしかりであって、
道場を開けば人が来てくれる訳ではないのです。
やっとの思いで1人来てくれたとしても、
ただ内容を教えていれば素直に習ってくれるような
素直な人ばかりな訳でもありません。
生徒同士での気難しい関係もあったり、
同門内でも指導者同士での複雑な関係もまた、
人間であるが故に何らかの形で邪魔をしてきます。
会社でも上に上がっていったり
政治家なんかにもありそうな雰囲気を、
上に行けば行くほど実感させられます。
内容を教える以前に
口先だけで当たり前のように言いつつも
社会人としてのモラルがなっていない
社会人の方が圧倒的に多いという現実。
自分が当たり前のように簡単にやっていた事も
実は簡単に誰でもできる事ではなかった事を
思い知らされる気落ちとか。
もしこれから何かをの指導者を目指して
開業を考えている人は、
ただ教えるだけではないよって事と、
人間相手は大変ですよって事を肝に免じて
おいてもらえればと。
そんなこんなでいろいろな想いや経験のもとから、
コロナ禍が過ぎて一から道場生を募集していく上で、
なぜ未経験の人に教えたいのか、
いろいろ挙げましたが私の考えや実際に
遭遇した問題点などをまとめてみました。
柳生 久志
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