パンの科学の続きです

パンがふっくら膨らむのは、
小麦に含まれる粘りと弾力の素、
グルテンの形成
によるものであることがわかりました。
では、実際、
パンの材料のどれとどれがどう作用して、
パンはふっくらと焼きあがるのでしょうか?
もうひとつ、パンの膨らみに欠かせないのが
イースト。(↓はインスタント・ドライイースト)

イーストは菌類、微生物の一種です。
正確に言うと、サッカロミセス・セルビシエ、
いわゆるパン酵母です。
パン生地ができるしくみは、
小麦粉に水を混ぜて物理的な力を加える(こねる)と、
小麦粉のたんぱく質成分、グリアジンとグルテニン
が結合してグルテン膜という網目構造を作ります。
顕微鏡で見ると、こんな感じです。

グルテン膜は、
一度形成されるとゴムみたいに弾力が強く、壊れません。
一方、こねる時に一緒に入れたお砂糖とドライイースト。
イーストはお砂糖をエサにして活発になり、
糖分をアルコールと炭酸ガスに分解します。
これが、発酵です。
ゴムみたいな生地の中で炭酸ガスが発生すると、
ゴム風船を膨らませたときのようにプクッと膨らみます。

これが、
パンの一次、二次発酵のときの状態です。
二次発酵後、パンをオーブンに入れて過熱しますが、
グルテンは55℃あたりからドロドロになり(糊化)、
80℃以上になると、固まってふっくらパンの形になります。
同時にパンを膨らませていたイーストも熱で死滅します。

かくして、
小麦粉、砂糖、水、イーストなどに
力や熱を加えた結果、彼らが一生懸命力を出し、
その結果、ふっくらと香ばしいパンが生まれるのです。
次回はパン作りに欠かせない材料についてお話します。