2月8日、雪が舞う中で大阪芸大の卒業制作展2026が開幕しました。2月15日(日)まで河南町キャンパスの芸術情報センターや各学科棟などで、各学科4年間の学びの成果を結集した力作を展示します。<伊藤 望、池ヶ谷大和>
今年いちばんの冷え込みでうっすら雪も積もった2月8日。芸術情報センターで授賞式が行われました。
亀谷眞一専務理事が祝福の言葉を述べたあと、各学科で最も優秀な作品に与えられる学長賞などを受賞した学生に、桝田幸宏事務局長から賞状が贈られました。
(写真:雪が舞う中行われたオープニングセレモニーのくす玉割り 2026年2月8日 11時20分)
授賞式後、芸術情報センター前で開かれたオープニングセレモニーでは、受賞した学生や亀谷専務理事、桝田事務局長、河南町の森田昌吾町長が参加し、テープカットとくす玉開きが行われました。会場には演奏学科の学生によるファンファーレが響き、キャノン砲から金銀のテープが発射され、華やかに今年の卒展ウィークの開幕を告げました。
芸術情報センター1階の「展示ホール」では、学長賞や学科賞などの優秀な作品が勢揃いしています。
(写真:芸術情報センター1階の「優秀作品展」会場入り口 2026年2月8日午前撮影)
湯船に浸かることで心が安らぎ、悩みが和らぐことを、アフリカ象と浴槽の2つを融合させた陶造形で表現した、工芸学科の学長賞「温象包懐」を制作した同学科陶芸コースの文野芽さんは、「人生を紡ぐこと、日々の経験から豊かな人生を作っていくということをコンセプトに制作した。象の皮膚感を模索しながらの制作で苦労した。その努力が報われたと思うとうれしい」と話しました。
(写真:工芸学科・文野 芽さんの作品「温象包懐」)
ミネアポリス美術デザイン大学学長賞を受賞した写真学科の三木皓太さんは、JR西日本の特急「くろしお(オーシャンアロー車両)」を4枚組で表現。海岸や田園地帯、工場地帯のそばや都市の中を疾走するエメラルドグリーンの車両を3年半かけて撮影し、写真集にまとめた作品のなかから展示した。「幼い頃からずっと鉄道が好きで、卒業制作でこの車両を題材にと思い制作した。好きなものを伝えたいとの気持ちを全面に出して頑張った結果で受賞でき、本当にうれしい」と、鉄道への愛着を語りました。
(写真:写真学科・皓太さんの作品「太洋への矢」)
各学科棟や総合体育館など、キャンパス全体を使って、15学科、全てのコースの作品展示も行われています。
総合体育館の2階エントランスでは、工芸学科の各コースの作品展示が行われています。
愛と自由が共存できないという哲学の残酷さを、陶芸作品に落とし込んだという「自由突く、愛のなか」を制作した遊畑百伽さんは「製作中に作品の一部が倒れて壊れてしまった。プランを変更してボリュームを持たせるのが大変だった。工芸作品は途中で壊れないか管理してあげないといけないので、植物を育てるような気持ちで作品と向き合っている。」と、制作中の苦労を語りました。
(写真:工芸学科・遊畑百伽さんの作品「自由突く、愛のなか」)
体育館第1アリーナでは美術学科の絵画や立体造形作品が広い会場内いっぱいに展示されていて、カラフルな油画作品から、シックな日本画まで、幅広いジャンルの作品が並んでいます。
(写真:美術学科の展示 総合体育館第1アリーナ)
6号館テレビスタジオでは、放送学科の展示・上映が行われていて、映像や音声で表現した、ドキュメンタリーやバラエティ番組が視聴できるほか、脚本や卒論のファイルも展示されています。
(写真:6号館テレビスタジオで行われている放送学科の展示)
和歌山を中心に活動するアーティスト平阪佳久さんを密着取材したドキュメンタリー作品『単身密着 平阪佳久#自称世界一幸せな、売れないアーティスト』は放送学科学長賞を受賞。制作した、同学科制作コースの佐藤凌平さんは、「地元和歌山で活動することに重きを置いていているところに魅力を感じて取材を始めた。有名になることが世の中の全てではなく、身近なところに幸せがあると皆さんに伝わってほしい」と語る。「制作は、数をこなすだけでなく、一回一回コンセプトを持って制作することが大切だと思う。自分にしかできないレアな経験をたくさん表現してください」と、後輩へのメッセージを述べました。
(写真:放送学科・佐藤凌平さんの制作したドキュメンタリー作品から)
学科の先輩の作品を見にきたというデザイン3年の男子学生は、「作品がどれもすごかった。来年僕たちもこんなことをしなくてはいけないのかと、責任感を感じた」と先輩の作品に圧倒された様子。
神奈川県から文芸学科に在籍する我が子の展示を見にきたという男性は、「日本画の展示では線の細かい作品があり色の使い方などに見惚れてしまった」と話しました。
デザイン学科卒業生で大阪府内から訪れた男性は「毎年来ている。作品も年々レベルが高くなっていて、見ていて楽しかった。特に美術学科の展示は僕ら(デザイン学科)と違って一発書きの世界なのに、それでもレベルの高い作品を見ると興奮しますね」と満足そうな様子。
芸術系の高校に通う奈良県から来た高校1年の女子生徒は、「これから私は日本画を専攻する予定だが、大阪芸大の日本画の作品を見て、自分もこんな作品を作れるようになりたいと思った」と話しました。
滋賀県から来た写真学科OBの男性は、「今年の卒展はいつにも増してバラエティー豊かで非常に楽しい。今も作品制作を続けているので、制作への栄養になります」と笑顔でした。
初日の2月8日は、朝から今年1番の冷え込みとなり、昼過ぎにかけて河南町のキャンパスでは雪が舞うこともありました。
芝生広場では一面が雪化粧となり、雪で遊ぶ子どもたちなどの姿も見られ、「大阪芸大」と書かれた卒展モニュメントの横には雪だるまが作られていました。
(写真:卒展モニュメント前に現れた「雪だるま」 総合体育館前芝生で)
2月9日と10日には、12号館下で、「卒展マルシェ」も開催されます。学生や副手らが、オリジナルの小物や雑貨などの手作りの作品を販売します。
河南町キャンパスでの卒業制作展は、2月15日(日)まで開催されています。
《大阪芸術大学卒業制作展2026》
●開催期間=2025年2月8日(日)~15日(日)11:00~17:00
●開催場所=大阪芸術大学(大阪府河南町東山469)[地図]
●アクセス=近鉄長野線「喜志」駅下車。大阪芸大スクールバスで約15分
●公式SNS=
▽X(旧Twitter)=@oua_sotsuten
▽HP=https://oua.osaka-geidai.ac.jp/sotsuten/
●問い合わせ=大阪芸術大学 電話:0721−93−3781
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