京大対策数学 第1回 素数の扱い方 まとめ | 元国立医学部生 数学の定石 鉄則を解説します

元国立医学部生 数学の定石 鉄則を解説します

国立医学部を卒業し、現在医師として働いています。頭の体操も兼ねて、趣味で大学受験の数学の問題を解いてます笑
勉強方法や、オススメの問題集を紹介していきます。ひとりでも多くの難関大の受験をする人の役にたてればと思います。

こんばんは!

今日は、京大対策数学 第1回 素数の扱い方 を解説していきます!

京大対策数学講座と称して、これからシリーズとして解説していきたいと思います。

予備校や塾に行きたくても行けない方、自分で独学で勉強している方に、特にお役立ちできるようなテーマを扱っていきます。

 

今日の進め方は、以下になります。

1、はじめに

2、素数の知識・定石のまとめとその解説

3、問題演習基本編と解説

4、問題演習応用編の問題提示(後日解説します)

 

1はじめに

京大数学では、素数の問題が頻出です。また、京大に限らず難関大学でも素数の問題はよく出題され、解ける人と解けない人で大きく差が出る分野です。難関大学では素数の扱い方をマスターすることが合格に近づく第一歩だと思います。

『素数』と聞いただけで、うわっ、、と思う方も中にはいるかもしれません。何を隠そう、私自信も素数アレルギーでした。しかし、素数はいったん知識や典型パターンをマスターしてしまえば、必ず得点源になります。素数が苦手というのは、素数に関する知識や認識が薄いだけです! 今日の記事を読んでいただければ、素数のどんな問題がきても解ける! という自信が得られると思います。

今日で、素数アレルギーを解消しましょう! 素数最高!素数って面白い! って思ってもらえたら嬉しいです笑

 

2素数の知識・定石のまとめとその解説

それでは、まずは素数に関する知識をまとめていきます。 以下のまとめをぜひスクショしたり、自分のまとめノートに書き写して何回も何回も見直して暗記してもらいたいです。たくさんありますね、、、けど、使えるようになればあなたも素数マスターです!

 

point 素数のまとめ 以下pは素数とする

①素数の定義:正の約数が1と自分自身の2個である自然数

 例 2.3.5.7.11.13.17・・・

②素数を含む方程式を見たら⇨素数=(整数)×(整数) の形に変形する(積の形に変形)

 例 p=mn m,n:整数 ⇨(m.n)=(p,1)(1.p)(-1.-p)(-p.-1)の4パターンしかないことを利用する問題が非常に多い!!

③素数で偶数は2のみ! 素数の中でも2だけは特別扱いしよう

(同様に素数で3の倍数は3のみ)

④3以上の素数は全て奇数であることを意識する

⑤5以上の素数は6で割った余りに着目すると p=6k±1 と表せる

⑥素数を見つける問題は実験⇨推定⇨証明の流れ で考える

 証明は3の剰余で考える (と解ける問題が多い)

⑦素数+素数=素数 の時、左辺のどちらか一方の素数は必ず2になる

⑧pはp-1以下の全ての自然数1,2,3,...p-1と互いに素である

⑨pCk (1≦k≦p-1)はpの倍数

⑩pが素数でないならば、p=mn (m,n:1より大きい自然数)とおける

 

解説

①1は素数に入らないことは注意しましょう

②素数の問題を見たら、まずはp=mnの形に変形できないかを常に考えましょう! 4つの整数解しか持たないことを利用する問題がとにかく頻出です。まあ、整数問題ですから積の形にするというのは自然な発想ですよね

③④これらもよく使う考え方です。素数の中で2だけは偶数で、それ以外は全て奇数なのです。この当たり前の事実を意識しているどうかで問題の見通しがかわります。必ずどんな問題でも意識してください

⑤これは、知っておくと論証がしやすいことがあります。5以上の素数は、2の倍数でもないかつ、3の倍数でもないことからこのように表せます

⑥京大の鉄板といってよい考え方でしょう。問題を通して具体的に見ていきます。

⑦これも当たり前にしておきましょう。例えば、p.q,r:素数かつp<q<r  p+q=r を満たすとき、p=2となります。

 簡単に説明しておきます。もし、pが2より大きい素数と仮定すると、pは3以上の素数なので奇数となります。qは奇数なので、左辺のp+qは奇数+奇数で偶数になりますが、rは奇数なのでこれは矛盾します。よってp=2となります。 この考え方は、2016年の京大理系数学2番で用いていますね。

⑧例えば、p=13の時、p=1,2,3...12と13は互いに素になっています。これは自明な性質として解答に用いてもOKだと思います。

⑨これは、証明も含めて、問題演習しながら解説していきます。京大では、当たり前の知識として知っておく必要があります。

⑩これはpが素数であることを示す際に、背理法や対偶を用いてp=mnとおいて議論を進める場合によく使います。

 

3問題演習パート1  基本編

 

 
ヒント
問1 まとめ②の知識を使います。素数を含む方程式で真っ先に考えるべき式変形は何だったでしょうか?
問2 複二次式という有名な式変形が必要です。⑩の考え方を用います
問3 有名な問題です。⑥の考え方を使います。京大の過去問でも同様の問題が頻出しています
問4 ⑩の考え方を使います。直接示しづらいので対偶を取りましょう
問5 ⑧の知識を使います。⑨の証明です。有名知識なので、証明を丸暗記して、京大受験生はこの結果を使えるようにしましょう
 
4 応用問題の提示 
素数に関する問題をまとめました。出典は京大と京大模試の過去問、一橋大学の過去問です。
実力試しとして、是非ともチャレンジしてみてください。知識のまとめと基本編で学んだ考え方を駆使しながら考えてみてください。手書きだったり、貼り付けだったりバラバラですみません笑
個人的には、問6はあらゆる整数問題の中でも最高傑作の問題だと思います。一問で学べることが多すぎます。受験生の時に感動しました。さすが、京大の問題です。
解説は後日アップしますので、ちょっとした宿題感覚でお願いします!