皆さん、こんにちは。
関西を中心に、リトミック、音楽ワークショップ、コンサートなど多方面で活動しています、「アンサンブル・おっとっと」です。
本日ブログ担当のあずまです。
先日、アンサンブルおっとっとは、大阪府豊中市にある国立医療法人「刀根山医療センター」でのコンサートに出演しました。
このコンサートは、刀根山医療センター(主に呼吸器・神経系での疾患を持つ方が治療にあたられます)で大切なご家族を見送りになられたご遺族の方に向けて、病院側のグリーフ・ケアの一環として10年近く取り組みが続いています。
※Grief care :Grief とは大切な人の死別を境に、遺された人の生活や内面で生じる喪失感や違和感のこと。
そうした状態に置かれている人に寄り添い、支えることを総じてグリーフ・ケアと言うそうです。
(参照ページはこちら)
2011年に私たちが活動を始めてから間もなく、こうした医療現場でのコンサート作りに関わる機会をコンスタントに与えられるようになり、大切なご縁となって続いています。
遺族会での演奏は昨年の9月以降、1年ぶり。
今回は、開催日が9月のはじめであったこともあり、暑さも和らいだ秋の始まりをテーマに、移る季の涼やかさを感じられるプログラム作りを心がけました。
会場となるのは病院1階の患者サロン。
あたたかな広がりのある空間で数十人のご遺族の皆さまをお迎えし、病院側の臨床心理士、看護師の皆様とご遺族の方々が、患者さまの闘病に当たっての各々の体験や現在の心境などをシェアしながら、その心の痛みに向き合う時間を持たれます。
そしてその後が、音楽の出番です。
入院されている患者さんの日常の生活の場であり、闘病の現場でもある病院の中、患者さんのみならずご家族の心や体のケアを包括的に考えられているこうした現場では、音楽の一節一節、歌詞のひとつひとつが、より深い意味合いを持って響くように感じられます。
会場の入り口には、この遺族会の名称である「つゆくさ会」にちなんだ、青いツユクサが一輪生けられていました。
これまで旅立っていかれた患者さんのお一人お一人、そしてそのご家族の記憶と痛みに寄り添い、ささやかながらも確かな励ましを生み出せるように地道に試みられている現場に、音楽家として関われる事はとても大切なことだと年を追うごとに思います。
さて、9月もおっとっとは大忙し。
他の活動についても、ぜひ次の記事でチェックしてみてくださいね。