こんにちは。
アリゾナ州の南東の街ツーソンに位置するピマ航空宇宙博物館(Pima Air & Space Museum)に行ってきました。
サボテン(Cactus)の映えるエントランスです笑
展示機数は300機以上と言われており、世界でも最大規模となります。
Googleマップで見ると、その広さと展示機の多さがわかります。
アクセス
ツーソン(Tucson)は、日本からはあまり馴染みのない都市ですが、アリゾナ州ではフェニックスに次ぐ第2の都市です。
最寄り空港はツーソン国際空港で、空港からレンタカーで10分程度でした。
ダラスからも直行便があるのでおすすめです。
フェニックス市内からは車で1時間強なので、フェニックス国際空港から行くのもあり。
さすがに広大な敷地なので、駐車場も広く無料です。
開館時間や入場料金は公式サイトから。
行くための準備
この博物館は、屋内展示+屋外展示で構成されています。
屋内は空調完備で綺麗な建物ですが、屋外は砂漠に野ざらしという表現がしっくりくる感じなので、
- 歩きやすい靴
- 水分補給のペットボトル
- サングラス
- 帽子
は持って行った方がいいと思います。
なお日にもよると思いますが、屋根付きのトラムが1時間に1本出ていたので、特に暑い季節はこちらを使うと良いかと思います。
民間機
あまりに機数が多いので、ジャンルごとに、ブログに残しておきたい機体だけ載せておきます。
まずは民間機から。
Boeing 787-8 "Dreamliner"
今や日本中、世界中を飛び回るボーイング787の試験2号機です。
各種試験飛行に使われ、空港での検証プログラムのため日本にも飛来した実績があります。
当初はANAに引き渡される予定でしたが、重量が量産型より重かったため受領拒否、博物館への寄贈となっています。
Boeing 747-100
747型機には、その機体の大きさと信頼性から、旅客機としての運用終了後も様々な用途向けに改修された機体があります。
まずはこちら。
航空機エンジンメーカーの一つ、GEのエンジンテストベッドになった747-100です。
No.2エンジン(写真右から2番目のエンジン)に新開発のエンジンを取り付け、各種試験を行っていました。
Boeing 747-SP
こちらはまだ展示準備中で敷地外にあったものですが、博物館敷地内から見やすいところに置いてあったのでパシャリ。
NASAとDLR(ドイツ宇宙センター)が共同で運用していた、空飛ぶ天文台です。
母体となっている747-SPがまず珍しい機体で、一般的な747型機の全長を短くし軽くしたことで、より長距離を飛べるようにしたものです。
この機体に赤外線観測用の望遠鏡が搭載されています。
この望遠鏡により、月の太陽光が当たる部分に水分子が存在することが確認され、決して小さくない学術的成果を挙げています。
残念ながら運用コストが高かったため、退役となり2022年暮れに当博物館に空輸されました。
McDonnell Douglas DC-10-10
DC-10系列はJALでも飛んでいたので、馴染みの方も多いかと思います。
DC-10は、尾翼に刺さるように配置されたNo.2エンジンが特徴的な3発機です。
この機体は、Orbis Internationalという、世界各地で失明防止のための活動を行うNGOが所有していました。
機内には眼科医療設備が搭載されており、世界各地で医療活動を行っていたそうです。
トップガン・マーベリックに出てきた機体
2022年公開の映画トップガン・マーベリックに出てきた機体(同型機)や、この映画にゆかりの機体も多く展示されていました。
Lockheed SR-71A "Blackbird"
劇中の序盤に出てきた極超音速機マッハ10の機体は「Darkstar」なので、このSR-71ではありませんが、兄貴みたいな立ち位置だと思ったので載せておきます。
この機体は偵察機として開発され、有人ジェット機として世界最速となるマッハ3.3を記録しています。
McDonnell Douglas F/A-18A "Hornet"
劇中のメインの戦闘爆撃機です。
まさかのいい写真が撮れてなかった笑
以前行った博物館に同じ系列の機体が展示されていたので、こちらをご参照ください。
劇中に出てきたのはF/A-18E/Fなので、これよりも新しい機体です。
Mil Mi-24D "Hind"
旧ソ連のミル設計局が開発した攻撃ヘリコプターです。
終盤にマーベリックを襲ってきたあいつです。
劇中では、かなり大きく恐ろしい機体に見えましたが、こちらは武装が外されちょっと可愛い印象でした。
Grumman F-14A "Tomcat"
トップガンの1作目に登場した機体であり、トップガン・マーベリックでは、劇中の最後に敵基地から脱出する際に使用された機体です。
劇中でもありましたが、可変翼となっているところが特徴的です。
North American P-51D "Mustang"
エンディングで飛び回っていた機体です。
WW2のアメリカ製戦闘機としては最優秀と言われています。
展示されている機体は、その約60%がオリジナルの部品、残りはこの博物館のスタッフとボランティアによって自作された部品で組み上げたそうです。
その他
Boeing B-52D Stratofortress
1950年代に開発され、今だに多くの機体が米空軍で現役で飛ぶ爆撃機、B-52です。
つい先日、この機体のエンジンをRR製の新型のものに載せ替えて、更に運用期間を延伸するプロジェクトが発表されていましたね。
間近で見ると、その巨大さに驚きます。
Aero Spacelines B-377-SG "Super Guppy"
ボーイングの開発したB-377という輸送機をベースに、大型の貨物を輸送できるように改造したものです。
かなり特徴的な機体です。
B-377-SGは、NASA向けにロケット部品を輸送したり、Airbus向けに航空機部品の輸送に使われました。
大日本帝国海軍 MXY-7 "桜花"
WW2の日本軍の機体の多くは、米軍に鹵獲され連合国側で性能の調査がされています。
この機体もその一つです。
この機体、小さくて非常にシンプルな形をしています。
用途は特攻で、多くの兵士がこれに乗り敵の艦船に突っ込んで行きました。
この機体について知れば知るほど、愚かなものだということがよくわかってきます。
Lockheed L-049 "Constellation"
最後はこちら。
曲線がとても美しい形の機体です。
垂直尾翼が3枚に分かれているのは、1枚だと大きく全高が高くなりすぎて当時の整備格納庫に収まらないためなんだとか。
まとめ
ピマ航空宇宙博物館でした。
広大な敷地と膨大な数の展示で、ここだけのために訪れてもいいくらい行く価値があると思いました。