生命と意識の様態に関する最も古くからある捉え方は、心霊主義である。
心霊主義では、生物は物的実体としての身体と、心的実体としての心=霊から成るとする実体二元論を採用する。
物体としての身体に心的実体である霊が宿ることで生きた生物となる。
この、生きた生物に宿っている霊が生命であり、意識の在処でもある。
我々が自分の意思で身体を動かすのは、物的実体としての身体と、そこに宿る心的実体としての心=霊との相互作用である。
これが心霊主義の基本スキームだ。
昔々の人たちは、生きた生き物が、受動的に動かされるただの物体とは異なって、「自分の意思」で自律的に行動する様を観察し、
またその生き物が死んだ途端に動かなくなって、受動的にしか動かないただの物体と化す様を観察してきた。
そして、そこに生きた生き物に意思を与え、自律的に行動させる何かが宿っているに違いないと考えたのだろう。
これは、見たものを感じるままに解釈する素朴な捉え方である。
それは、感性に依拠した世界観であると言えるかも知れない。