もし事故や災害に巻き込まれて、断末魔の叫びを上げざるを得ない事態になったら、その時あなたは何と叫ぶだろう?

私が幼い頃の、マンガの中の断末魔の叫びと言えば、「ギャー」くらいしかなかった。
当時のマンガは、今時の仮面ライダーなどとは違って、正義と悪がハッキリと固定していた。
だから、断末魔の叫びを上げるのは、常にカッコ悪い悪役の方だったのだ。
正義の側が時折上げるのは、せいぜい「ワー!」くらいの緩い叫びであって、断末魔というには程遠いシロモノだった。

しかし、もし自分が断末魔の叫びを上げざるを得ない事態になったら、その時、何と叫んだら良いのだろう?
「ギャー」とか「グワー」は、如何にも下っ端悪役感丸出しでカッコ悪い。もっとカッコイイ断末魔の叫びはないものか?
このような下らないことを考えたものだ。

この疑問に光明を当てたのが、大学生の頃にやったドラクエ5だった。
主人公の父親パパスが、敵の親玉に殺されるシーンで上げた断末魔の叫びは、「ぬわー!」だったのだ。

そうか。カッコいい大人の男は、断末魔の際に「ぬわー!」と叫ぶのか。
な行から始まるところが、如何にも耐え忍んでいる感が入っていて、素晴らしいではないか。(笑)
もしいつか、あなたが何処かで「ぬわー!」という断末魔の叫びを耳にすることがあれば、その方はきっとドラクエファンであるに違いない。

とは言え、もし自分がそういう事になったら、多分「ギャー」と叫んでしまうんだろうな、と最近は思う。この歳になって格好をつけるのは面倒だ。

というようなコトを考えながら、黙々と大掃除に励んでいた師走の一日。(笑)