作業療法アプローチ研究会「Team,re;Quest」のブログ -5ページ目

Team,re:Questの古池です。

【人の身体とこころに触れる】というテーマで書かせてもらっているブログも3回目となりました!

最近は朝晩とも涼しくなり、日中も汗を掻くことが無くなってきたように思います。

秋の訪れを感じている今日この頃です。外を歩いていても風の心地良さを感じられるのは、皮膚があるからこそ感じられるものだと思います。

気候の変化も大きい時期ですので、体調を崩さないようにしていきましょう。



さて、本題に行きましょう。

前回は、皮膚にある神経線維には感知した感覚を中枢に伝えるABCそれぞれの線維があり、中でも気持ちいいと感じるのは、ゆっくりとした刺激に反応するC線維の存在が大きいといった内容でした。

私たちは様々な場面で〝人に触れる・触れられる〟といった体験をするかと思います。

触れられるのなら気持ち良いほうがいいですし、出来るならば痛みや痒さなどの感覚は感じたくないものです。


生きていくうえでは必要な感覚ではありますが……




もちろん、患者様・クライアントに関わる場合も相手に不快感を与えないような触れ方をする必要があります。




では、どういった触り方が良いのでしょうか…??

どんな触り方でも感覚は同じなのでしょうか…?




人によって、今までの経験や皮膚の状況も違いますし、感受性も異なります。なので、ここで紹介する触れ方が必ずしも適切とは言いきれませんが、相手との関係性の中で自分の触れ方の参考になればと思います。



C線維ですが、ゆっくりとした刺激を感じとる他にも痛みや痒み、温度の情報も伝えているそうです。

また、C線維の中でも、とくに伝達速度の遅いものは遅速C線維と呼ばれます。これは周波数の高い刺激には反応せず、ゆっくり動く刺激にのみ反応するもので、哺乳動物には備わっていますが、進化の進んだ生物ほど数が少ないそうです。



ちなみに人の前腕では、C線維のうちの40%が遅速C線維です。



この繊維は有毛部のみに存在しており、手のひらにはありません。理由としては、手が触れたものの特徴を知覚するように働いているときに、気持ちよさといった矛盾した情報が脳に送られないようにするためであると言われています。

こういった情報は感覚野のみではなく、島皮質(情動や自己に意識に関係)や視床下部(自律神経の中枢)にも届きます。このことからも、触れることは、患者様やクライアントが身体への意識を向けるきっかけとなったり、興奮の鎮静化や覚醒状態にも大きく関係してくると考えられます。




文献によると、快を感じる触れ方としては5㎝/秒が最も良いとされています。

訓練や治療場面では、なかなかこういった触れ方は出来ないかと思いますが、赤ちゃんの背中をさすったり、マッサージの際の手の動きがこの速さに対応します。

5㎝/秒より速くても遅くても、気持ちよさの感覚は低下してしまい、1㎝/秒、20㎝/秒の速度で触れた場合は、交感神経が優位となり覚醒がアップします。

触れるといった行為は、相手にとっては快や不快、覚醒状態、自身への意識など、大きな変化をもたらすものとなります。訓練や治療はもちろん大切ですが、患者様やクライアントとの関わりの中で、一度触れるという行為に注目して臨床を行ってみるのも、様々な変化に気付くことが出来て面白いのかもしれません。

最後までお読みいただきありがとうございました。