作業療法アプローチ研究会「Team,re;Quest」のブログ -27ページ目
 こんばんは。河合です。みなさんいかがお過ごしでしょうか?私はゴールデンウィーク後のリハビリ予約の多さから少し解放されて通常通りの予約数に戻り、楽しくリハビリを行っています。プライベートでは、夏に向けダイエットを開始しましたが、食事制限はできているものの、運動があまりできず、大きな成果がでていません。毎日少しずつ運動を行えるよう頑張っていくつもりです。みなさんも毎日のコツコツとした、小さな頑張りを継続し、目標の達成を目指しましょう。

 さて、前回のメールマガジンでは一般的な浮腫に関してお話をしました。今回は片麻痺における浮腫の原因についてお話したいと思います。

 片麻痺の浮腫ってなんでしょう?

 浮腫の原因として挙げられるのは
 1.pressure(静脈圧)
 2.protein(蛋白質)
 3.permeability(透過性)
 4.paresis(麻痺)
 5.pendency(下垂)
 の5つのp が関与すると言われています。
 
 片麻痺では、
 ①麻痺が起こる
 ↓
 ②筋肉が動かない
 ↓
 ③肉が衰えていく
 ↓
 ④血が戻りにくくなる(筋ポンプ作用の低下)
 ↓
 ⑤水分が組織に染み出ていく
 ↓
 ⑥浮腫
 といった状態で説明ができるかとおもいます。

 筋ポンプ作用についてはみなさまも知っているとは思いますが、動脈血は心臓のポンプ力で末梢に向かうが静脈血は心臓に戻るのに筋肉が血管を押して手伝っているというものです。

 浮腫は麻痺側の静脈還流が悪くなるために起こります。静脈の弁は筋肉の動きにより働きます。つまり、自分で筋肉を動かすことができず、慢性的な抹消循環不全を起こしていると考えられます。

 麻痺側で静脈圧と毛細リンパ管内圧が上昇します。片麻痺になると発症当初は特に麻痺側に浮腫が出現し麻痺側の血管運動神経の機能が低下し、筋肉運動ができないため骨格筋ポンプが働かず、その結果、麻痺側の上下肢で静脈血とリンパ液が停滞し、静脈圧と毛細リンパ管内圧が上昇するためです。

 片麻痺の浮腫もスターリングの力で説明もされています。スターリングの力とは以下の通りです。

 体の中にある体液は血液から各組織に分布しています。血管と細胞の間には浸透圧があり、この浸透圧によって物質が移動しやすくなっているわけです。血液中にはタンパク質があるため浸透圧があります。
毛細血管におけるスターリングの仮説による水分移動は、水分が「動脈→細胞→静脈側へと流れる」という仮説です。当然ですが、静脈側より動脈側の方がより強い圧力がかかっています。また、細胞からの浸透圧によって血管へも水分が流れます。これらを全体として捉えると、水分が「動脈→細胞→静脈側」と流れているように見えるというわけです。

 このように、「細胞から血管への圧力」と「血管から細胞への圧力」によって適切な水分移動が起こっています。この水分移動に異常が起こると浮腫となります。

 筋ポンプ作用が低下することで心臓側になかなか水分が戻ってこない。そのため、静脈側の圧力が高まってしまう。その結果、静脈側への水分移動が減少して細胞内に水がたまるようになります。

 他にも麻痺側の浮腫の原因はさまざまです。浮腫が原因で動脈すら締め付けてしまうもの、動かすことの少ない筋肉の酸素栄養の需要が少なくなったもの、麻痺側を支配する中枢神経経路自体の損傷などさまざまです。

 片麻痺の浮腫の原因についてはご理解いただけたでしょうか?ながながとお話ししましたが、とりあえずは不動による筋ポンプ作用の低下が一番の問題だということです。

 次回は、浮腫により起こる二次障害についてお話ししたいと思います。お付き合いありがとうございました。