作業療法アプローチ研究会「Team,re;Quest」のブログ -25ページ目
 こんばんは。ついに浮腫についての最終メルマガとなりました。今まで一読していただけた方々に感謝いたします。浮腫についてまとめる中で、私も浮腫による影響について深く考える機会となり、浮腫の管理の大切さを痛感いたしました。みなさんもそのように考えていただけるようになっていただけたのではないかと思います。

 さて、最終メルマガということで、今回は実際にどのように治療していくのかをお話しさせていただこうと思います。

 では、まず浮腫の治療として何があげられるでしょうか?

 たとえば。。。  
 ⅰ)拳上
 ⅱ)圧迫
 ⅲ)交換浴
 ⅳ)求心性マッサージ
 ⅴ)自他動運動       などなど

 このような感じでしょうか?
 上記のすべての治療は浮腫の軽減に役立ちます。

 では実際どのようにアプローチしていきましょう。
 私たちがクライアントにかかわることができる時間は限られていますよね。
 その短時間に治療しても戻ってしまうということは皆様もご経験あるのではないのでしょうか?
 ステージが高く自分で動かせるようになれば筋ポンプ作用で状態維持ができますが、ステージが低く、下垂位を保持してしまうクライアントはすぐに浮腫が再燃してしまいます。その状態を何度も繰り返していても時間の無駄のような気がしてきてしまいますよね。介入のたびに浮腫を減らすことは拘縮の予防につながると考えられますが、状態維持をすることがよりいいですよね。

 クライアントへの指導はどのようにしていきましょう。
 上記の治療例から考えると自分で管理してもらう方法としてⅰ)拳上 ⅱ)圧迫 ⅳ)求心性マッサージ ⅴ)自他動運動などがあげられるでしょうか。
 私の場合は、指導として
 1.上肢の管理(下垂位をさける)
   →座位で過ごす際には机の上に麻痺側上肢を乗せておく
   →臥位では身体の上に必ず麻痺側上肢を乗せる
 2.圧迫&軽擦&自動介助運動をする
   ①麻痺側手指と非麻痺側手指を組み、非麻痺側手指で麻痺側の指間・手背を圧迫する
   ②手指を組んだまま、非麻痺側で麻痺側の手関節をぐるぐると回したり、掌背屈させたりする
   ③非麻痺側で麻痺側の肘関節の屈曲・伸展運動を行う
   ④非麻痺側で麻痺側の肩関節の屈曲運動を行う
   ⑤非麻痺側で麻痺側の上肢を遠位から近位に軽擦する
   ⑥非麻痺側上肢で麻痺側の鎖骨部を軽擦する
  このように指導しています。

 実際にアプローチする際にはⅱ)圧迫 ⅳ)求心性マッサージ ⅴ)自他動運動を用います。
 自分の身体で実際に試しながら読んでいただけると変化を感じることができるかと思いますので、一緒に行いましょう。まず行う前に手指の屈曲・伸展運動を行い、動かしやすさなどを確認してから開始してください。

 ①指間をマッサージする
 ②毛糸やヒモや包帯を用いて指尖から指基部に向けてぐるぐると巻いていく(2・3度繰り返す)
 ③手背の中手骨間を圧迫しながら遠位から近位に向けてマッサージする
 ④手関節を回したり、掌背屈させたりする(リンパ節の刺激)
 ⑤指尖から手関節に向けて手背を軽擦する
 ⑥内側上顆より遠位を圧迫しながら肘関節の屈曲・伸展運動を行う(リンパ節の刺激)
 ⑦前腕を遠位から近位に向けて圧迫していく
 ⑧前腕を遠位から近位に向けて軽擦する
 ⑨腋窩を遠位から近位にマッサージする&腋窩を圧迫したまま肩関節の運動をする(リンパ節の刺激)
 ⑩上腕を遠位から近位に向けて圧迫していく
 ⑪上腕を遠位から近位に軽擦する
 ⑫鎖骨部を軽擦する

 ※できれば上肢が心臓より高い肢位で行うことが理想です。

 いかかでしょうか?手指の屈曲・伸展運動を行って開始前との動かしやすさを確認してみてください。
 軽くなったのではないでしょうか?浮腫が軽減することで筋収縮も楽にできるようになります。

 短時間で変化を出せるため、治療開始時に浮腫を軽減させてからアプローチしたほうが治療効率もあがるかと思います。

 治療&指導で浮腫に対してのアプローチを試してみてください。拘縮の予防・筋収縮の促通・重だるさの改善などが期待できます。また、浮腫が軽減することで、皮膚にも遊びができ、ROMexなどを行う際に皮膚による突っ張るような痛み・制限が軽減します。浮腫の成分には痛みを感じやすくするものも含まれるとも聞いたこともありますので、浮腫自体による痛みの軽減も図れるかと思います。

 しかし、注意として心疾患を持っているクライアントに対する浮腫の治療は気を付けてください。別の障害を誘発してしまうこともありますので、心疾患を合併しているクライアントに治療する際にはDr.に相談することをお勧めします。

 以上で河合からの浮腫の話は終了です。管理・治療の大切さは全4部を通してご理解いただけたかと思います。臨床に持ち帰り、クライアントの変化を感じていただけたらと思います。今回は上肢へのアプローチをお話ししましたが、もし、下肢の治療の方法を知りたい方がいましたら、勉強会の時などにお声をかけていただければ、直接説明いたします。お付き合いありがとうございました。