Team re:Questの森です。
今週も私がメルマガを担当します。お付き合いいただけたらと思います。
前回はセラピスト-クライエント関係の話をしました。
関係性を築くことができ、それからリハビリを進めるにあたって目標設定をしますよね。
「〇〇出来るようになりたい」といった本人の要望、
「〇〇出来るようになって欲しい」といった家族の願望、
「〇〇が出来るようになる必要がある」といったセラピストの希望、
これらは必ずしも一致するものではないですよね。
では、皆さんはどのように目標設定を行っていますか?
ADOC(Aid for Decision-making in Occupation Choice)を使用したことはありますか?
ADOCとは、日常生活上の作業場面のイラスト95項目の中から、クライエントにとって意味のある作業をクライエントと作業療法士がそれぞれ選択・共有しながら目標設定を行うiPadのアプリケーションです。
日常生活における作業場面のイラストをヒントにすることで、自分にとって意味のある作業の想起・表明が難しいクライエントが、主体的に目標設定における意思決定へ参加することを促進する効果が期待できます。
開発された理由として…
リハビリは機能回復を促す治療と認識されていることが圧倒的に多いため、活動・参加レベルでの目標設定には十分に説明が必要であること
意味のある作業に焦点をあてた療法を行うことで作業遂行技術や介助者の負担軽減につながるが、一定時間の経験が条件となってしまう
といったことから作られたものです。
利点として、OTが何を支援する専門職なのかをクライエントに明確に伝える役割もあり、OTに対する認識のズレを埋める効果があり、認知症患者に対しては意味ある作業を通して健康や安寧を促進し、BPSD(認知症の周辺症状)の軽減等、安心感のコントロールを可能にすることが期待できます。
逆に、容易に面接を実施することが可能なため、実現不可能な作業を目標に挙げてしまう可能性があったり、クライエントに過度の期待感を与えてしまうため、逆に失敗体験となってしまう可能性もあるために目標設定には注意が必要であるといった欠点もありますが。
リハビリを行うにあたって、クライエントの意欲は必要な要素です。意欲とは行動の推進力であり、能動性が必要となります。リハビリの目標を持ち、目標を達成しようとする気持ちや目標とする状況に近づこうとする精神力が意欲として表現されているのではないかと言われています。
クライエントと作業療法士が意味ある作業を共有し、協働関係を築くための一つのツールとして活用してみてはどうでしょうか。