T 次のテーマは『秒速5センチメートル』です。まずは映画を見たきっかけから聞いていきましょう。
O 僕はもともとは『君の名は。』を見たのがあって、それで新海誠監督を知ったんだね。その後、例の後輩との映画祭に『秒速5センチメートル』を持ってきた後輩がいたりして、そんな流れで知っていった。
T その映画祭は『君の名は。』の公開よりも前?
O 後だよ。ちなみに映画祭では『秒速5センチメートル』は落選してたけど。
T 『君の名は。』じゃなくて『秒速5センチメートル』を持ってきたところにその後輩のセンスを感じるな。
O まあ『君の名は。』は言わずもがなだから。たぶんまだソフト化もされてなかったタイミングだと思うし。
T 僕も新海誠監督を知ったのは『君の名は。』からで、新海誠作品って自分たちの世代よりも若い世代に人気があるものだと思ってたけど、気になって見てみたらなかなか魅力的だった。
O やっぱり入りは『君の名は。』なんだね。
T 飛行機の中で『君の名は。』を見たんだよね。そうしたら新海ワールドすごい!ってなって、その流れで『秒速5センチメートル』も見てみた。
O 飛行機の中で『秒速5センチメートル』を見たんだね。飛行機は音速何メートルかだと思いますが(笑)。
T 無理にウケを狙わなくてもいいだろ(笑)。そのときに『言の葉の庭』と合わせて3作品を一度に見た。新海ワールド全般についてはどう思う?
O そんなワールドがわかるほど大して見てはいないけど、とにかく風景描写がリアルだよね。『君の名は。』を見て思ったけど、東京都の桜のマンホールとか、精密に描かれてた。
T 実写じゃないのに実写っぽくリアルに描いてるよね。とくに駅のシーンとか。
O ちなみに鉄オタの友達に指摘されて気づいたんだけど、新幹線は3人席と2人席が逆に描かれてる。西に向かってるのに、向かって右側が3人席になってる。先生といえども、そこまでは突っ込めなかったか(笑)。
T (笑)。でも現実世界をわざとアニメ化することによって、現実なんだけど美化された世界を描こうとしているのではないかと思うな。ジブリほど全くのファンタジーではない。
O たしかに地に足がついてるというか、ジブリの中でも『耳をすませば』とかの世界観に近いかな。町は現実世界だし。
T そこからの延長線上に物語が広がってるように見せたいのかなと。
O 『君の名は。』は完全にファンタジーだけど、『秒速5センチメートル』も現実的な話のようで、実は非現実的な感じがすごくする。ありそうでいて実際にはない話。
T まあ、ただの日常生活だけでは映画にはならんからね(笑)。
O では本題の『秒速5センチメートル』の内容に入っていきましょう。この映画、上映時間は1時間ぐらいと短いんだけど、さらに章立てがされてて、3部に分かれてる。
T 第1部「桜花抄」。パーンパパパーンパパパーン(笑)!
O ハイハイ(笑)!
T 競馬ファンには気になる名前ですね(笑)。
O どうしても賞典のほうの「賞」を思い浮かべちゃうよね。
T この作品は3部構成と言いながらも重要なのは第1部の「桜花抄」で、それはハッピーエンドで終わるんだけど、その後の第2部、第3部でそれを引きずっていくことになるんだね。
O 我々の得意分野でもある、青春作品をいかにおじさん目線で語るか(笑)というのもできる作品になってるね。
T 第1部は美しく完璧な世界だよね。誰しもが一度は妄想するような。
O 『耳をすませば』を思わせるような図書館で勉強してるシーンがあったんだけど、「見てごらん、アノマロカリスだよ」って、会話内容がマニアック(笑)。なぜ原始生物についての話をしてるんだ。
T しかも小学生だし(笑)。でも展開はお約束といえばお約束だよね。待ち合わせしてるんだけど、雪で電車が遅れて、待ってくれてるかわからないという。
O ストーリーを確認すると、小学校で仲が良かった明里ちゃんと貴樹くんのうち、明里ちゃんがお父さんの仕事の都合で栃木県は小山市の近辺の田舎のほうに引っ越していくんだね。そこに貴樹くんが会いに行くと。
T 雪国小山だね。
O 小山市ってそんな雪国じゃないはずなんだけどな。僕も栃木県はちょくちょく行ってたことあるけど、そんな豪雪にはならないよ。
T そこは演出ということで(笑)。さすがに東北とか北陸になっちゃうと中学生が日帰りで行けないからね。
O かといってもともと住んでた場所を仙台にするとかも違うと思うし、東京である必要があったんだね。
T 新幹線で会いに行くのも何か違うし。
O まず新幹線が雪で止まることは滅多にないからね。まあ、そもそも宇都宮線が豪雪で止まることも滅多にないんだろうけど。
T 何年に一度かの豪雪だったんでしょう。
O つい横道に逸れちゃうな(笑)。
To Be Continued...