南紀白浜で2泊したあと、すさみ町にやって来た。
フェアフィールドで2泊する。
フェアフィールドはマリオット系列のホテルで、道の駅に隣接していることが多い。
ホテルにレストランや大浴場などの施設はなく、地元の飲食店を利用するスタイルが特徴だ。

ここのフェアフィールドは道の駅すさみの隣にある。
そして、道の駅すさみの温泉施設「望海のゆ」とホテルのエレベータが直結しており、部屋からタオル一枚持って行けば無料で何度でも利用できる。

泉質が良いのはもちろん、露天風呂から太平洋を望む眺望も最高だ。
オフシーズンなので利用客は少なく、静かにゆっくり温泉を楽しむことができる。

そんな温泉を楽しんでいるとオジサンが話しかけてきた。
会話を進めていくと、少し日本語が辿々しい。
よく話を聞いてみると中国人だ。
今日、上海から来たという。

「飛行機で2時間、料金25000円、今日から2泊、明日の予定はなし。万博の影響で関空が混んでいた。日本の温泉は最高だから明日も温泉を楽しむよ」

そう言って早々に引き上げていった。
オジサンの言うとおり温泉は素晴らしいし、本当に癒される。
そして、すさみという片田舎まで海外から観光客を引き寄せる温泉の集客力も素晴らしい。
日本人として誇っていいだろう。

部屋に戻ると、ちょうど妻の詰子も戻ってきたところだった。

フェアフィールドにはレストランがない代わりに、電子レンジ、トースター、製氷機、シンク、コーヒーマシン、ティーバッグ、インスタント味噌汁などがラウンジに用意されていて、自由に好きなだけ24時間いつでも利用することができる。

電子レンジで簡単な調理をして食事をする人もいれば、コーヒーを飲みながらタブレット片手に仕事をする人もいる。

詰子は風呂上がりに冷たいアイスコーヒーを飲みたいようだ。

「オツトくん、今からラウンジに行く?」
「いいけど、この時間は食事をしている人で混んでるんじゃないかな」
「え〜、そうかな?」

いざ行ってみると僕の不安をよそに人っ子一人いない。

「全然混んでないじゃん」
「ーーーー(イヤな予感がする)」
「あのさ〜、オツトくんは思い込みが激しいんだって。イメージだけで話してきて、しかも、たちの悪いことに言い切ってくるもん」

どう答えるべきか。

「ん〜」
「何?」
「きっと、もうすぐ混み始めると思うんだよね」
「ハハハハ」

なんとか誤魔化せたと信じている。

あとがき

白浜に続き、すさみの温泉も最高です。
ホテルがあるすさみ町は自然豊かなところですが、高速道路を建設中なので、この先は変わってしまうかもしれません。

さて、すさみで撮った写真をアップします。


ペンギンがお出迎え。
道の駅にある「エビとカニの水族館」にいます。
アドベンチャーワールドから来たそうです。


フェアフィールドのラウンジ。
いい眺め。
露天風呂からも同じ景色が楽しめます。


道の駅にある食堂「蒼海」で食べた唐揚げ。
美味しかったです。
バーベキューが楽しめる「すさみ夜市」には、今回は行きませんでした。


道の駅の鮮魚店「枯木灘鮮魚商会」の前にある魚のオブジェ。
ここで鯛の刺身を買って、2日目の夜ごはんにしました。
鯛一匹を目の前でさばいてくれて、とても新鮮で美味しかったです。


道の駅のお隣にあるミキ食堂のイノブタうどん。
すさみはイノブタが有名みたい。
イノブタはオスの猪とメスの豚を交配したもの。
これも美味しかった。
 

 

南紀白浜マリオットホテルに来ている。
ホテルのラウンジは落ち着いてゆっくり過ごせるのでお気に入りの場所だ。
妻の詰子とふたりでお茶を飲んでいると、詰子がニヤニヤした表情で考え事をしている。

「詰子ちゃん、何を考えてるの?」
「みかんジュースでしょ、かげろうでしょ、あと……とれとれ市場で何を買おうかなと思って」

お土産物を想像して楽しんでいるようだ。

とりあえず、とれとれ市場に出かける。
ここは新鮮な魚介や和歌山のお土産物が何でもそろっている大きな市場だ。
ふたりで物色していると、みかんの直売所を見つけた。

「詰子ちゃん、みかん屋さんがあるよ」
「ホントだ」
「せとかも売ってるよ」
「ホントだ!」

せとかはテレビや雑誌で紹介されている大人気の品種だ。
旬を過ぎているからか、この時期は手に入りにくいようだ。
そのような貴重なみかんが運よく売っていて詰子のテンションは爆上がりだ。
店員が他の数種類のみかんについても説明をしてくれ、試食させてもらった。
詰子は買う気マンマンだ。

「じゃ~、せとかと、こっちのみかんもください」
「ありがとうございます」

念願のせとかをゲットできた。
詰子、ご満悦である。

南紀白浜マリオットホテルに来るのは3年ぶり2度目だが、うろ覚えなことが多い。
例えば駐車場やエレベーターの位置など、「こんなところにあったっけ?」といった具合だ。
特に朝食に関しては全く記憶がない。
朝食会場もメニューも覚えていないのである。
奇妙なことに詰子も全く覚えてないという。

朝、目覚めてその朝食会場にやってきた。
実際に会場に来て料理を見ても全く思い出せない。
不思議な気分だ。

しらすと干物を中心に食べることにする。
普段は朝食を取らないのに、旅先では驚くほど食が進み、朝がいつもより楽しく感じられる。

「俺、ごはんおかわりしようかな」
「そんなに食べて大丈夫?」
「だって、しらすが余っちゃったもん」
「ハハハハ。また、訳わからん理論を展開してくるな」

結局、ごはんはおかわりせずに、クロワッサンをひとついただくことにした。
クロワッサンはホテルごとに味が全く違うので、いつも食べ比べることにしている。

「詰子ちゃん、クロワッサンを焼いてきたよ」
「へ~。味はどう?」
「うん、普通に美味いな」

そう言っているとホテルスタッフが何やら大きなカゴとトングを持ってやってきた。

「焼きたてのクロワッサンです。おひとついかがですか?」

なんと、クロワッサンを食べていたら、焼きたてのクロワッサンが運ばれてきて驚いた。

「ひとつください」

スタッフは僕と詰子にクロワッサンをひとつずつ皿にのせていった。
先ほどのクロワッサンとどのくらい違うか食べ比べてみる。

「ん~、うま~い。詰子ちゃん、全然違うよ」
「マジで?」
「うん。外はサクサク、中はしっとり柔らかい」

詰子も食べる。

「ん~、うま~い」

詰子、ご満悦である。
 

あとがき

詰子ちゃん、美味しくてよかったね。
それでは撮ってきた写真を一気にアップします。


パンダがお出迎え。
アドベンチャーワールドのパンダが6月に中国に返還されるそうです。
今回は行かずじまい。


温泉付きの部屋。
滞在中いつでも温泉に入れて最高です。
写真がイマイチでわかりにくいけど、景色も最高です。


お気に入りのラウンジ。
やけに落ち着きます。


ラウンジのビールサーバー。
よく見ると右がカールスバーグ、左がプレミアムモルツになっています。
途中で気づいて飲み比べたけど、もう酔っぱらっていて違いが分からず、どちらも美味しいという結果に。


ラウンジのカレーパン。
デカいコロッケかと思ったけど、カレーパンでびっくり。
ホテルのカレーが詰めてあって美味い。


朝食。
大根おろしにしらす、アジの干物、ほうれん草、温泉卵、ホテル特性のトマトソースがかかったオムレツ、たけのこ汁。


そして焼きたてのクロワッサンです。
やっぱり焼きたては美味しいな。


白良浜。
ホテルから徒歩3分くらい。
詰子と散歩に行きました。
曇天だったけど、暑くもなく、寒くもなく、砂浜を素足で歩くと気持ちよかったです。


とれとれ市場。
ホテルから車で10分くらい。
ここで、せとかをゲットしました。


お土産に買ったかげろう。
本当は本店のかげろうカフェに行って生かげろうを食べたかったけど、時間がなくて諦めました。
 

 

名古屋から南紀白浜に向かう。
4泊5日間で白浜町とすさみ町に滞在し温泉を楽しむ予定だ。
とても楽しみなのだが、白浜まで約320km、車で5時間ほどの距離で、運転が嫌いな僕としてはかなりツラい。

順調に高速を走っていると、工事渋滞の情報が表示されている標識に気づき、ついつい文句を言ってしまう。

「『工事渋滞7km35 分』って書いてあるがや〜。も〜、工事は夜中にやれよな」
「ハハハハ」

大笑いする妻の詰子を見て、聞いてみる。

「詰子ちゃん、今、『コイツ毎回同じこと言っとるがや』って思ったでしょ?」
「うん。だって、毎回同じこと言ってるもん」

文句を言っても渋滞は解消されない。
仕方がないので覚悟して渋滞に突っ込む。
しばらく走ると渋滞の最後尾が見えて、完全に止まってしまった。

渋滞はツラい。
やることがなく、時間が経つのが遅い。
20分くらい経ったかなと思って時計を見ても2分しか過ぎていない。
ただ待っているだけで何の生産性もない。

突然、詰子が大きな声を出す。

「フッ。フ〜ッ」
「何してるの?」
「暇だなと思って、後部座席にあるスマホを取ろうとしたんだけど……体が回らない」

詰子が助手席から後部座席に向かって上半身をひねり、手を伸ばしているが届かない。
まるで止まりかけた時計の秒針が同じ場所でカクカクしている感じだ。

「ムリだ」

そう言ってシートベルトを外し、シートを一番後ろまで下げ、背をリクライニングさせて、掛け声とともに身体を思いっきりひねる。

「フ~ッ」
「取れた?」
「取れた」
「ハハハハ」

詰子の暇な時間も、これでしのげそうだ。

それから時間が流れ、工事渋滞の標識に書かれていた35分が過ぎた。
未だに渋滞を抜ける気配はなく、2kmほどしか進んでいない。
やけに詰子が静かにしているなと思って見てみると目をつぶっている。
思わず笑った。

「ハハハハ」
「何?」
「静かだなと思ったら寝てたからさ」
「オツトくんはちゃんと前を向いていて」

そう言って詰子はまた目を閉じた。

あとがき

結局、渋滞を抜けるのに1時間半かかりました。
南紀白浜に到着したのも予定より1時間半遅れでした。
やれやれ。

僕は車の運転が嫌いです。
渋滞はもっと嫌い。
いや、違うな。
運転してなかったら渋滞は気になりませんね。
たぶん、詰子も運転していないので気にならないのだと思います。

それはさておき、美味しい食事と温泉を満喫するぞ。

どんどん物忘れが激しくなってきている。
思い出したくても思い出せないとストレスなので、その都度スマホのメモアプリにメモをすることにしている。

キッチンで洗い物をしようとして洗剤が少なくなっていることに気づいた。
メモするため、「洗剤、洗剤、洗剤……」と呟きながらスマホを探すが見当たらない。

「あれ!? スマホ、どこに置いたっけ?」

小さい家にもかかわらず、どこに置いたか思い出せない。
同じところを行ったり来たりしながら、なんだかんだで5分ほどあちこち探す。
やっとの思いでスマホを見つけるが、今度はメモする内容を思い出せない。

「あれ!? 何を買ってこなきゃいけないんだっけ?」

キッチンに行き、洗剤を見て思い出す。

「あっ、洗剤だ」

思い出したところでスマホにメモしようとするが、またスマホがない。

「なんで!? 今さっき触ってたじゃん!」

夕食後、妻の詰子と二人でテレビを見ながら、今日あったスマホ紛失事件について、あーでもない、こーでもないと話す。

「今日、そんなことがあったよ」
「オツトくん、ホント、ボケボケだよね」
「あぁ~、嫌になるよ」

話が一段落ついたところで、詰子がテレビを消した。

「詰子ちゃん、もう寝るの?」
「寝ないよ。どうして?」
「テレビを消したからさ」
「あれ!? なんで消したんだ?」
「ハハハハ。どんどん俺に似てきているね」

あとがき

二人ともボケボケです。
物忘れ、意味不明な行動……と、ひとつのことしかできなくなってます。

ひとつをやっていると、もうひとつを忘れる。
ひとつをやっていると、もうひとつのことができず疎かになる。
そんな感じです。

僕は詰子と話をしながら車の運転をしていると道を間違えるようになりました。
とくに高速の分岐は要注意です。
なので、詰子には静かにしてもらっています。

この先が思いやられますね。

 

妻の詰子のご機嫌が悪い。
どうしたのだろうか?

「詰子ちゃん、どうしたの?」
「トランプショックだもん。株って下がるときは一瞬だね」
「ん〜、昨年の5月くらい、ちょうど1年前の株価まで下がったな」
「はぁ〜、しょうがないな〜。ぶっ込むか」
「!? ぶっ込む?」
 

あとがき

僕と詰子は老後のために株式投資をしています。
詰子の言うとおり、確かに今は仕込みどきかもしれませんね。
安く買って高く売る……単純だけど難しい。

さて、トランプが悪いという話を聞きますが、僕は違うと思います。
ダメなのは石破。
トランプが関税をかけてくることは、はじめからわかっていたこと。
何の対策も打てない、準備もしていない石破が悪い。
全てが後手後手。

頼りないし、情けないですね。
そりゃ〜、機嫌も悪くなりますよ。

よし、詰子の言うとおり、ぶっ込もう。