妻の詰子が起きてきた。
どういうわけか、ご機嫌ナナメのようだ。

「詰子ちゃん、どうしたの?」
「変な夢を見た。オツトくんが文句を言ってきて、私が『それ以上もう言わないで~』って怒る夢」
「俺が文句を言う夢? 何をそんなに文句言ってた?」
「わからんけど、同じことを何回もブチブチ言ってた」
「ハハハハ。だからご機嫌が悪いの?」
「うん」

夢の話なので僕にはどうすることもできないのだが、会話を続ける。

「つまり……俺が悪いってこと?」
「うん、夢の中ではね」
「それで、今、俺、怒られてる?」
「そういう夢を見たよって話」
「ハハハハ」
 

あとがき

詰子は怒っていないと言っていますが、僕は怒られた気分です。
眠れない日が続いているようですし、寝苦しかったのかも。

ストレスなのか暑さのせいなのか分かりませんが、最近の詰子はイライラしていることが多いようです。
ご機嫌になってほしいけど、どうしたらいいかと悩みあぐねいています。

美味しい焼肉でも食べに行こうかな?

 

はじめての家庭菜園でなすを育てている。
妻の詰子も収穫を楽しみにしているようだ。
手探りで挑んでいるのだが、小さいながらも実がなってきた。

「詰子ちゃん、なすの小さいヤツができてるよ」 
「ホント!? いいね」 
「見る?」 
「見ない」 
「え~っ!? 見ない? なんで? 普通、見るでしょ?」 
「ハハハハ」  

あとがき

詰子は仕事が帰ってきたら毎日見てるらしいです。
僕が聞いたときは面倒だったのでしょう。



なす

さて、順調に育っているように思えますが、本当にそうなのか確信が持てません。
なんせ全てがはじめてのことですので。


結構楽しめているので、老後の趣味になりそうです。
やっぱり、農家さんはすごいな。
尊敬に値します。

梅雨に入り、じめじめとした不快な日が続いている。
妻の詰子は傘をさして歩くのが嫌な人で、多少の雨なら濡れたまま行ってしまう。
これから仕事に出かけるようだ。

「詰子ちゃん、今日も雨だよ」 
「はぁ〜、どのくらい降ってる? 今から仕事に出かけるんだけど」 
「まあまあ降ってるよ」 
「傘がいるくらい?」 
「詰子ちゃんなら、傘なしで行っちゃうかな」 
「あのさ〜、私だって傘が必要なときもあるからね」 

二人で玄関のドアを開けて確認すると、ザーザーと音を立ててかなり降っている。

「詰子ちゃん、やっぱり結構降ってるよ」 
「ん〜、どうしようかな? まぁ、このまま行くわ」 

そう言って詰子は傘をささずに、そのまま雨の中を歩いて行った。
 

あとがき

ワイルドだろ~!?
そういえば、スギちゃん、最近見ないな。

たとえ夫婦でも人の価値観や常識は随分違うものだなと考えさせられます。
僕は絶対に雨に濡れたくない人なので、雨の日は極力外出しません。
雨だから出かけないというのが僕の常識ですが、詰子は違うようです。

雨の日の外出に限らず、エアコンの設定温度、卵焼きは甘めがいいか否か、マヨネーズのフタをしっかりと閉じるかどうか、ハサミを置く場所を固定するかどうか……など言いだしたらキリがありません。

それでもお互いの意見を尊重しながらやっていくしかありません。
第二の人生を考えたとき、まだまだ先の方が長いのです。

相手の意見を尊重することの重要性を再確認した日でした。

 

妻の詰子は月に1回のペースで、医者で血液検査をしている。
一番注意しなければならないのはHbA1C(ヘモグロビンエーワンシー)という値だ。

「詰子ちゃん、今日の検査結果はどうだった?」
「いつもどおりだよ。A1Cがちょっと高いけど…」
「いくつ?」
「7.0」
「高いね」
「先生は気をつけてって言うだけだから、まぁいいんじゃない」

6.2を目指すように言われているので良くない傾向だが、詰子は楽観的だ。
その後、処方箋を持って薬局に行く。
車で待っていると、薬局で薬をもらった詰子が戻ってきた。

「薬剤師さんは何か言ってた?」
「大丈夫ですねって」
「大丈夫!? そうなの!?」
 

あとがき

ん~、よく分かりません。
何が良くて、何が悪いのか。
多少、数字にブレがあるのは理解できますが、ホントに大丈夫なのかな?
でも、上がったと思ったら下がるし、下がったと思ったら上がるし、そんなものなのかもしれません。

先月も同じこと書いてるし。
今月も結論は「様子見」ですね。
 

 

フェアフィールド・バイ・マリオット・岐阜高山白川郷に来ている。
荘川は蕎麦が有名な地域だ。
荘川に来ると必ず立ち寄る蕎麦屋があり、今回もやってきた。
最初に運ばれてくるのは郷土料理の「どぶ汁」だ。
早速いただくことにする。
妻の詰子が言う。

「美味しいね。この塩加減というか、出汁というか、それが絶妙なんだよね」

詰子の言うとおり、絶妙なバランスだ。
僕もなんとかこの味の秘密を知りたくて、五感をフル活用してワインのテイスティングのように舌を動かしてみる。

「オツトくん、どう? わかった?」
「ん〜、わからん」
「ハハハハ。もう〜、格好ばっかりだもん」
「ハハハハ」
 

あとがき

どぶ汁と呼ばれる汁は全国にあるようですが、今回は岐阜県飛騨地方の郷土料理のどぶ汁です。
「むろや」さんでいただきました。 
大豆をすりつぶした汁で、どぶろくのように白く濁っています。

 

どぶ汁

 


新聞で紹介されたようです

そして蕎麦はもちろん、山菜の天ぷら、たけのこご飯も絶品で美味しいです。

蕎麦

 


山菜の天ぷら
 

たけのこご飯
 

昔懐かしいポスト

さて、このあと家路につくわけですが、高速道路を使わず下道で帰ろうという話になり、そのようにして名古屋まで帰りました。
高速道路 を使えば1時間半の道のりのところ、結局4時間ほどかかりました。

高速道路ってすごいな。
僕らが老後を過ごすころには、もっと便利になっていてほしいと願います。

そういえば、詰子ちゃん、寒ざらし蕎麦っていうのがあるらしいよ。
令和7年6月1日(日)より限定5000食だって。