妻の詰子は1ヶ月ごとに血液検査のために診察を受けている。
その検査で一番注意しなければならないのはHbA1C(ヘモグロビンエーワンシー)という値だ。

駐車場の車内で待っていると、診察を終えた詰子が戻ってきた。

「A1Cは下がってて良いんだけど…」
「だけど?」
「悪玉コレステロールが爆上がりしてるって」
「爆上がり?」
「うん、昨日の夜、カップラーメン食べちゃったからかな」
「かっぷ、らあめん」
思わず復唱してしまう。

「で、爆上がりってどのくらい?」
「117が150」
「えっ」

僕が驚いていると、詰子が検査結果の紙を見ながら冷静な声で言う。
「今までは140の中に入ってたのに飛び出てるわ」

その表情には、危機感というものがまるで見当たらない。
まるで、天気予報で“明日は少し寒くなります”と言われた程度の反応だ。

「それで、先生は何て言ってたの?」
「肝臓もいい、いい感じです、まあまあですって言ってた」
「悪玉コレステロール、爆上がりなのに?」
「うん。まあまあ、だって」

摩訶不思議である。

あとがき

ホントにいい感じなのかな?
医者がいい感じと言っているくらいなので、それほど心配する必要がないのでしょう。
まぁ、様子見ってことなんですかね。

それにしても、先月はカリウム不足と言われ、今回は悪玉コレステロール。
ひとつよくなるとひとつ悪くなる。
歳ですからね。
仕方ないですね。

いつもなら診察の帰りにランチに行くのですが、今回は訳があってそのまま帰宅しました。

さてはて、来月はどうなるんだろう?

 

選挙だ。
投票所は小学校だが駐車場の台数が少ないので、空いている時間帯に行きたい。

「詰子ちゃん、混むから15時過ぎに選挙に行くから」
「わかった」
「そのあとスーパーで買い物して、晩ごはんにするから」
「じゃ~、今からご飯だけ炊いてくれる?」
「うん、わかった。洗い物やってから炊いておくよ」

ふたりで投票所に向かう。
雪こそ降ってないものの、風は鋭く、頬を刺してくる。
投票所は思った通り空いていた。
冷たい風に肩をすくめながらも、無事に一票を投じる。

その足でスーパーに寄り、夕食の材料を買い込む。
車に乗り込んだとき、ふと胸の奥に小さな不安が芽生えた。

「詰子ちゃん、そういえば俺ってご飯炊いたっけ?」
「知ら~ん。なんか台所でガチャガチャやってたよ」
「うん。洗い物をやった記憶はあるんだけど、米を研いだ記憶がない」
「ハハハハ。オツトくん、まさかだけど…」
「洗い物だけやってご飯を炊いてないかも」
「ハハハハ」

家に着き、玄関を開け、台所へ向かう。

「詰子ちゃん、ごはん、炊いてないわ」
「ハハハハ」

詰子は大笑いだが、炊飯器は沈黙していた。
 

あとがき

いや~、自分の行動にビビります。
ひとつやるとひとつ忘れる。
ほんとに情けない。

さて、選挙は自民党の圧勝でした。
自民単独で3分の2を超える316議席を獲得。
対して、立憲は惨敗、野田さんは無能ということですね。

自民がこれだけ議席を得たわけですから、高市さんは自分のやりたいことを何でもできるはず。
憲法改正、消費減税、スパイ防止法など、高市さんの本気度が問われることになりそうです。
これらの政策を実現できなかったら口だけ、嘘つきと言われてしまいますから。
今後を見極めたいです。

それにしても、チームみらいがこんなにも躍進するとは思わなかったな。
なぜだろう?
れいわ、共産の支持層がみらいに流れたのかな。
安野さんはAIエンジニアだから、AIを駆使していると思うけど、他党にないノウハウや戦術を持っているとしたらすごいな。
変な政治家より、AIに政治をやってもらったほうが全て上手くいくんじゃないと思ってしまいますね。

最後に、AIが米を研いでくれる時代に、はやくなってほしいです。
 

 

神戸に来ている。
妻の詰子が、ハーバーランドにシュラスコの店があるので行きたいと言う。

「オツトくん。シュラスコの食べ放題の店があるから行ってみたいんだよね」
「あのさ~、シュラスコってどんなやつ?」
「ん~、肉を焼いたやつ」
「肉を焼いたやつ……?」

僕は眉を寄せて考えた。

「あれってなんていう名前だっけ?」
「あれって?」

今度は詰子が考える。

「あれだよ、セントレアで食べた肉の焼いたやつ」
「あぁ~食べたね」
「それ。なんだっけ?」
「ん~、なんていう名前だったかな?」

二人はしばらく考えたが、無駄な時間だと悟り、答えは出ないままだった。
そして、数時間後。

「あっ、詰子ちゃん、思い出した」
「何を?」
「ケバブだ」
「それだわ。ハハハハ」
 

あとがき

この歳になると地名や人名などが思い出せません。
悲しいけど仕方がないですね。
不思議なのは、時間をおいて何でもないときに突然思い出すこと。
嫌になります。

さて、僕たちはシュラスコとケバブの区別がつかないので調べました。
シュラスコはブラジルを中心とした南米の肉料理で、ケバブは中東・トルコ発祥の肉料理の総称。
どちらも串に刺して焼き、ナイフで削ぎ切りするイメージだけど、調理法を詳しく見ると確かに違う。
ん~、難しい。

今回行ったのは、神戸ハーバーランドumieモザイクにあるブラジリアーノというお店。
食べ放題だけど、アラカンの僕たちはそんなに食べれない。
直ぐにお腹がいっぱいになりました。
若者にはいいかもね。

神戸ハーバーランドには、はじめて行きました。
行ったのは平日だったので、比較的すいていました。
ショッピングモール、映画館、煉瓦倉庫、アンパンマンミュージアムなどがあって、休日は賑わうんだろうと思います。
 

 

ハーバーランドから

 

umieモザイク

 

美味しかった

 

 

 

 

大阪から神戸に移動した。
神戸マリオットホテルに泊まる。
ここもはじめてくるホテルだ。

外は寒く、とても出かける気にならない。
ラウンジで妻の詰子とお茶を飲むことにする。

「オツトくん。外、雪が降ってるんじゃない?」
「ホントだ。みぞれっぽいね」

テレビに目をやると兵庫県大雪情報を映し出している。

「詰子ちゃん、日本海側はえらいことになってるみたいだよ」
「ふ~ん」

詰子は興味なさそうに相槌を打つと、テレビをちらりと見て、すぐに別の方向へ視線を滑らせた。

「それよりさ」
彼女はカフェラテをひと口飲んでから、真剣な顔で続ける。
「あのテレビなくして、あそこに大きな冷蔵庫置けばいいのに」
「ハハハハ」

僕はは思わず吹き出した。

 

あとがき

神戸マリオットホテルは、昨年2025年12月1日にリブランドしたホテルです。
内装も新しくリニューアルされていて快適でした。
立地は神戸駅の目の前で超便利。

さて、この日は日本海側を中心に雪が降っていて、東名や名阪道が通行止めになるなど大変なことになってました。
ラウンジに設置されていたテレビでもそのことを伝えていましたが、詰子は何のその。
“より快適なホテルライフ”で頭がいっぱいだったようです。

それにしても詰子は冷蔵庫が好きだな。
しかも大きい冷蔵庫ほどいいらしいです。
そういう人っていますよね。

そしていつも通り、カクテルタイムに美味しいおつまみを食べながら美味しくビールをいただきました。




ラウンジと問題のテレビ

 

おつまみいろいろ

大阪に来ている。
妻の詰子とあべのハルカスの展望台に行くことにした。
大阪マリオット都ホテルから直行で行ける。
展望台に来るとさすがに高く、大阪平野が、まるで巨大な地図のように足元へ広がっている。

詰子と並んで、ゆっくりと回廊を歩いていると、突然その姿が視界から消えた。
振り向くと転びそうになってよろめいている。

「詰子ちゃん、どうしてたの?」
「なんか、ひざがカックンってなって……」
「大丈夫?」
「いゃ~、ひとりひざカックンだわ~」
「ハハハハ。突然視界から消えてビビるわ?」
「いやいや、突然ひざがカックンってなってビビったわ」
 

あとがき

あべのハルカスは高さ300mを誇る超高層複合ビルで、展望台、美術館、大阪マリオット都ホテル、近鉄百貨店などが入っています。
駅ビルとしては日本一の高さを持ち、天王寺・阿倍野のランドマークになってます。

16階のチケットカウンターに着くと、なぜかWEST.がお出迎え。
2026/4/19までのコラボ企画のようです。
そして、16階から60階へエレベーターで一気に上がります。
そのエレベーター内で流れるWEST.のエレベーターアナウンスが人気のようです。

展望台では地元の小学生が見学に来ており、大にぎわい。
60階の天井回廊を一回りしたあと、59階のおみやげ屋へ。
58階にある上空まで吹き抜け構造の天空庭園にも行ったけど、寒すぎてすぐに退散。
30分ほど楽しんで降りました。

美術には無縁なので、あべのハルカス美術館はスルー。

このあと近鉄百貨店のレストラン街へ。
レストラン街、デパ地下を楽しみました。

なんだかんだで1時間半ほど歩きっぱなし。
老体にはこたえます。
きっと若者は一日中楽しめるだろうと思います。

そのあと、詰子はホテルに戻り、僕は天王寺駅前をうろうろすることに。
でも、やっぱり寒すぎてすぐに退散しました。


それにしても、詰子のひとりひざカックンは何だったのだろう?



ホテルから入場券のサービス

 

展望台直行エレベーター

 

WEST.がお出迎え

 

展望台からの眺望

 

天空庭園

 

天王寺駅から見る通天閣

 

ホテルのジムからもこの景色