福岡県久留米市に白楽天神社があります。
ご祭神は、
住吉大明神の
底筒男命(そこづつのおのみこと)
中筒男命(なかづつのおのみこと)
表筒男命(うわづつのおのみこと)
と
白楽天(白居易)
と
菅原道真(天満天神)
です。
以前書きましたように、お能の白楽天は、日本の知力を試しに来た白楽天が、博識の老人(実は、住吉明神)と対峙し、結局は神風に吹かれて唐に吹き戻されるというお話です。流石の白楽天も神様には敵いませんね。
また、以前書きましたように、菅原道真は、醍醐天皇より、白居易を引き合いに、お褒めの言葉をいただきました。菅原道真も、白居易の詩に精通し、その影響を受けていたことは知られています。菅原道真は唐の衰退を予測して、遣唐使の廃止を提言しました。しかし、彼は、左遷・失脚させられてしまいました。
今に例えると、アングロサクソン文明の衰退を予測して、日本が世界平和をリードすることを唱えるくらいのドラスティックな提言です。
日本は、日出ずる国です。戦乱や圧政から逃れ、平和を求める人たちが、太陽の昇る方に向かって、移動し続けていくと、行き着く先が日本です。
縄文時代の14000年の平和があり、八百万の神がおわし、それから、多くの移民を受け入れ、さまざまな文化、文明を受容し、和の精神で融合してきました。日本人は、唐の文明を吸収し、アングロサクソンの文明を吸収し、独自のものにしています。
お能の白楽天では、住吉大明神は白楽天を追い返します。また、菅原道真は遣唐使の廃止を唱えました。そういう対立も、高次元で解消して、全部神様にしてお祭りするという、日本の文明の力はとても素晴らしいです。
アングロサクソンの文明は、戦争の歴史、支配の歴史でした。
米中の覇権争いがありますが、日本はいずれの文明も呑み込んできました。
「和を以て貴しとなす」の精神を持つ日本人は、世界平和をリードしなくてはいけません。
白楽天神社の御祭神から、そんなことを連想してみました。
白楽天神社
福岡県久留米市東合川9-16-44
白楽天神社の遠景