【13時10分】
ダイヤモンドシティから最寄りの九州自動車道、松橋インターチェンジで森下明夫が高速道路を降りた様子が分かったのですぐにYくんへ連絡を取った。
「高速…松橋インターで降りたみたいだぞ」
「分かってるっすよ。こっちは木本と京子にひーちゃんが付いてるっす」
「そっか…分かった」
私も慌ただしく森下明夫の後を追うが、今走っている場所からダイヤモンドシティまで、約30分くらいかかってしまうだろう。そこから先は私が到着するまで妖怪コンビに任せるしかない。
「ダイヤモンドシティ」と聞いて、まずピンと来たのが、モール敷地内への新規出店を計画しているのかも知れないという想像だった。しかし、だとすれば矛盾もひとつ生まれる。何故、そこに木本信二が同行しているのか理由が分からない。前回、久留米に森下と京子が行った時に木本は同行していない。
様々考えてはみるものの、やはり何も見えてはこない。3人が前回落ち合ったタイミングの時に途中で失尾してしまった事が今頃になって悔やまれた。
「考えたってどうにもならない…やるだけだ」
自分の中にあるネガティブなイメージを捨て、先を急いだ…
【13時45分】
熊本市を通り過ぎ、松橋インターチェンジを降りて暫く走り続けると、彼らが待っているダイヤモンドシティがやがて見えてくる。熊本市内では既に雨が降っていたが、こちらは何とか雨は落ちずにいるものの、独特の湿った空気がもうすぐ降り出す雨を予見している。
駐車場へ入り、木本と京子が入っていた筈のファストフード店周辺で車を見ていると、すぐに京子が乗る赤い車と、隣に停まる森下の真っ黒い車が並んでいるのが目に入ったので、私は車を降りる事なく、Yくんへ電話を掛けた。
「やっと来たみたいっすね」
「あぁ、お疲れ様。どうだ?まだ店の中? 」
「っす! 」
「ひーは? 」
「多分やつらの隣で何か喰ってるっす」
「そうか…分かった。Yくん! 」
「?何すか?? 」
「悪いが、ひーと同じ席に座って何でもいい。3人の会話を聞き出してきて欲しいんだ」
「僕がっすか? 」
「あぁ、悪いが森下の調査はまだ続く筈だから、今は私もヤツと顔を合わせたくないんだ」
「仕方ないっすね。分かったっす… 」
Yくんはそう言って電話を切ると車を降り、いつものように大股で店の方へと近付いていく。ひーにはすぐにその旨をLINEして知らせる事にした。
3人とYくん、そしてひーが入っている筈の店を眺めながら、またいつもの様に想像を巡らせてみる。前回とは打って変わって白昼堂々、一般の人々で賑わう場所で面会している3人が、一体何を話し合っているのだろうか。
河野社長の地位を森下が狙っているのは間違いないだろう。しかし、いくら旦那が嫌いだと言っても自らの生活をも脅かす様な真似に京子が加担する意味が分からない。そして木本の役割があるのかどうか…
【14時30分】
永らく待っていたYくんとひーが店を出てくる様子が見えた。
(続く)
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