【19時50分】
「おいぃぃぃぃぃ!まだか!!まだ出てこんのかいぃぃぃ!! 」
「ぐぅぅぅぅぅ…←(Yくんのイビキ) 」
Yくん同様、私も眠気で意識を失いかけていたその時、柏原幸広と女性が歩いてホテルを出てくるのが見えた。
「おいっ!Yくん!起きろ!☆ 」
「ほえっ!? 」
思わずYくんにエルボーをお見舞いしたが、ただ目を覚ましただけで何も効いちゃいない。
「あ、やっとっすか? 」
「やっとっすかじゃねーよ!!寝てたくせに!ふざけんな! 」
「何を馬鹿な事を言うっすか!? 」
「寝てたじゃねーか! 」
「寝てたんじゃないっす!僕は夢の中で張り込んでただけっすよ! 」
「能書きはいいから早く柏原幸広を追っかけろ!バカ!! 」
「っす! 」
助手席から転がり落ちるような勢いで飛び出したYくん。別に酔っている訳でもないのに眠気でフラッフラになりながらも柏原幸広達を追い掛けていく。
「ったく…気持ち良さそうに寝てやがって… 」
気持ちは理解出来るので無理矢理起こさなかったが、ブツブツ言いながらパーキングの料金を精算する私。彼らの向かう方向を見ていたのだが…
「嘘っっ!! 」
【19時53分】
柏原幸広はホテルから少し離れた道路沿いで手を振って女性と別れたと思いきや、そのまま目の前のタクシーに乗り込もうとしている。そしてYくんはそれを私に知らせようと必死にこっちに向かって手を振っていた。
「おいおい…いくら何でも早過ぎんだろ! 」
いずれ別れるとは予想していたが、せめて店近くまで送るものだとばかり考えていた私は、焦って精算機に小銭を投入する。勿論、彼がタクシーで帰宅するであろう事は予想していたが、思い込みで高を括って違いましたでは話にならない。
慌てて出庫した私は、道路へ出て道端にボーッと突っ立っているYくんを拾ったまま、すぐに尾行を始めた。幸いな事に柏原幸広の乗ったタクシーは、信号に引っ掛かって先の交差点で停まっている。
「間、何台挟まってる? 」
「1…2…3…多分、4,5台くらいっすかねぇ… 」
「意外とあるな…Yくん右左折だけはキッチリ見ておいてくれよ。頼むぞ」
「っす! 」
左折なら、柏原幸広が帰宅する可能性はグッと高まるが、右折なら全くどこへ行くのか見当も付かない。十中八九帰宅だろうと踏んではいるが保証は無い。
【19時55分】
緊張してハンドルを握る手に少し力が入っていた時、Yくんがそんな私の緊張感を解してくれた。
「社長、左折っすよ!今、チラッと見えたっす! 」
結局4台も並んでいた車列は綺麗に右折と左折、半々に分かれてくれたので、私達はすぐに彼の乗ったタクシーの2台後ろに付く事が出来た。車の多い繁華街では実にラッキーだったと言っていい。
「こりゃ帰るな… 」
「僕もそう思うっす! 」
当然に希望的観測も入ったコメントを呟きながら…私達は尾行を続けている。とにかく「眠い」
(続く)
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