桜の花弁が舞い散る頃⑤ | ㈱OTS探偵社・梅木栄二の「グダグダ」小説!

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現役探偵・梅木 栄二(50代)の日々考えている事を事務所に帰った時まとめてみるつもりだったのが・・・。
いつしか勝手に小説化!へタレでド素人な小説読んでやって下さいぃ~。

安堵した私が、その復元されたチョコをそっと握って再び、冷蔵庫に戻ろうとした時だった。

 

「こんちは---!! 」

「ギャッ!! 」

 

焦った私は、握っていたチョコレートを落としそうになったので、慌てて空中で掴もうとしたのだが、掴んだ場所が悪く、チョコレートの包みは無情にもビリビリに破れてしまった!

 

「嘘っっ!! 」

「佐川で---す! 」

「…… 」

 

何の事は無い。先日アマゾンで購入したマイクロSDカードが届いただけだったのだが、悪いことをした罪悪感が私にそうさせたのか、せっかく復元したチョコは無残にも、もう、どうにもならない形になってしまっていた。

 

「あの…代金引換ですけど…大丈夫ですか(-_-;)? 」

「あ…はぁ…はい…… 」

 

私は力なく答え、デスク裏のバッグから1万円札を取り出した。別に宅配の人が悪い訳じゃないのに、何故か非常にバツの悪そうな表情をしている。現金を渡す私の後ろでは、欠片になったチョコと、かろうじて銀紙に包まれたままのそれが無残に散らばっている。

 

「あの…大丈夫ですか…?すみませんね…ノックして入ってきたら良かったですね… 」

「あ、いえ、その…多分…大丈夫ですぅ… 」

 

宅配の人は余計な気を遣いながら「ありがとうございました」と、ひと言言い残してドアを閉めた。振り向きたく無かったが、エクソシストみたいに首だけ後ろを振り返ると……厳しい現実だけが床に散らばっている。

 

何も考える事が出来ずに、その散らばったチョコレートに視線を釘付けにしながら、そっとデスクに着いて煙草に火を着けた。まさに「現実逃避」。

 

「はぁ…… 」

 

煙草の煙が目に染みたのか、涙が頬を伝う。バールで頭に穴開けられたら死んじゃうのかな?きっと死んじゃうよ。いや、100%死ぬ……

 

そう考えると身体はガタガタ再び震えだす。やだ。こんなしょうもない事が原因で人生の幕を下ろしたくない…

 

再び少し冷静さを取り戻すと、誰がいつ事務所に戻ってこないとも限らない。万一、チョコの所有者であるSさんなんか戻ってきた日にゃあ、速攻終わる!!

 

煙草の火を揉み消して、私はすぐに散らばったチョコレートを回収し始めた。

 

何故、こんな事になったのか?いくら考えても私には分からない。一体、誰が悪いのか?そりゃ私。うん、何故だか分かんないけど、そこだけは納得。

 

自分自身の「本能」が憎い。次に生まれ変わってくる時は、もっと小食の、線の細いピアノ少年?かなんかに生まれてきたい……

 

きっと私の前世は古代ローマかなんかで不幸にも餓死してしまった美しい少年なのだろう。あぁ、不幸の連鎖。時代を超えてなんと悲しい物語…

 

「さ…小芝居はこのくらいにして…このチョコ食べてあげないと腐っちゃう♡ 」

 

そうボソボソ呟きながら、私は残りのチョコレートを「介錯」する事にした。今更残した所で、もうどうにもならないという開き直りに加え、完全に理性≤食欲だったのだ。

 

そして、それら全てを始末し終えた時…果てた後の様な虚しさだけが私を包んでいた。

 

(続く)

 

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弊社は情報を管理する会社である都合上、上記のお話だけに限らずブログ内、全ての「グダグダ小説」は全て「フィクション」です。実在する人物、団体は、私を含むスタッフ以外、すべて架空の物です。弊社で行われた調査とは一切関係ございませんのでご了承のうえお楽しみ戴ければ幸いです!それからお話の途中で設定が「おかしいな??」と、感じる部分があっても所詮「ド素人小説」なのでくれぐれも気になさらないように♡読んで頂く皆様の「想像力」が全てです( ´艸`)

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                        代表取締役   梅木 栄二