人格破壊(37) | ㈱OTS探偵社・梅木栄二の「グダグダ」小説!

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現役探偵・梅木 栄二(50代)の日々考えている事を事務所に帰った時まとめてみるつもりだったのが・・・。
いつしか勝手に小説化!へタレでド素人な小説読んでやって下さいぃ~。

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もう殆ど・・・・春先になると聞こえる雌猫の交尾である。


声にならない声を聞き・・・対象者は静かにトイレの前に立った・・・。


後姿から・・・T氏の無念と後悔・・・怒り・・・悲しみ・・様々な想いがオーラとなって見えて来る様だ。


普段猫背のT氏の頭部は・・・後姿から見えない程落ち込んでいる様子が分かる。


・・・・・暫くすると・・・・断末魔の様な喘ぎ声が聞こえ・・・対象者とKが果てた・・・


良く考えて欲しい・・・何が悲しくていい年齢を重ねた者同士こんな醜態を晒さなくてはならないのか・・・・。


快楽を求める事を否定している訳では無い。人としてのモラルと問うているのだ・・・。


対象者もKも・・・自宅に帰れば家族が居る。家族には家族に対する「顔」があるのかも知れないが・・・家族に自身の本当の「顔」を見せずして一体誰に見せると言うのか・・・。


勿論・・・T氏にも落ち度が無かったとは言えない・・・しかし、だからと言って・・・


ここまで堕ちてしまう理由は何処にも無い・・・・。


トイレの扉の向こうからは・・・トイレットペーパーを慌しく使っている様子が丸聞こえである・・。


互いにじゃれあいながら衣服を身に着ける様子迄聞こえてくる・・・。




(20:20)


ついにXデーは幕を開けた・・・。


何事も無かった様にKがトイレの扉を開けた瞬間!!


T氏はKの胸ぐらを掴み・・・・トイレの中に押し戻した!!


T氏は中から・・・・身障者用のトイレの鍵をロックした!!


「おいおい・・・・聞いてねぇぞ!!」


「っす!!」


焦る私とY君。しかし・・・・少し位はT氏の気の済む様にもしなくてはならない・・・。


「Y君!」


「っす!」


「もしもT氏がKや対象者に暴力を振るうようだったら・・・上から飛び込むぞ!!」


「了解!!」


私とY君は・・・すぐにトイレの裏側に近づき・・・聞き耳を立てる・・・


「おい!!どう言う事だ!!」


「い・・・いや・・・・ご・・・誤解で・・・・」


「何が誤解だ!!今まで私は・・・・私は・・・お前達がS○Xする声を聞かされていたんだぞ!!」


「・・・・・・」


大声で泣きじゃくる対象者・・・。


静かな公園の・・・・・トイレという密室はまさに「修羅場」と化した・・・。


「貴様!!Kと言う名前だろう!!」


「・・・・・・・」


「こっちはなぁ・・・・全部調べて分かっているんだ!!・・・・・・貴様、コイツ(妻)と同じ職場だろうが!!!貴様・・・・・貴様・・・・・」


「・・・・・・・・・」


「訴えてやる~!!!!!!!!!!」


パチ~ンという音が響いた!!更に声を上げて泣き叫ぶ対象者!!


明らかにT氏がどちらかを叩いた音であった・・・


「社長!!行くっすよ!!」


「いや!!ちょっと待とう・・・」


1発の乾いた音である・・・恐らくはT氏がKを平手で叩いた音であろう事は経験上容易に推測出来た・・・。


私はあえてこういう場面では・・・1発位仕方無いという気持ちも持っている・・・。


恐らくはKも・・・1発平手で叩かれた位の事で・・・Tを訴えたりしない・・・


最悪、訴えたとしても・・・自身の恥を公的に知らしめる様なものだから・・・


「すみません!!Tさん・・・・それだけは・・・」


「それだけはとは何だ!!」


「私にも・・・・家族が・・・」


「そんな事は知ってるよ!!だから何だ!!人の家族はメチャクチャにしておいて!!今更命乞いか!!?」


「すみません!!すみません!!!何とか・・・」


「・・・・・やめて・・・・やめて~・・・私も仕事に行けなくなっちゃう!!うわ~・・・ん」


「何だお前!!ここまでやっといて今更まだ仕事ってか??ふざけんな!!」


突然!!トイレの鍵が開いた!!


「おい!貴様!!・・・・・必ず・・・・必ず・・・訴えてやるからな!!覚悟して待ってろ!!貴様の会社の上司にも・・・・監督責任を問うぞ!!」


殆ど私の指示通りに・・・・T氏は冷静に対処してくれた事が意外であった・・・。実際、果たして本当に上司に対して監督責任を問えるか否かは微妙というか・・・殆ど「ハッタリ」である・・・。


それでも・・・・Kに対してはかなり効いた感がある・・・。


トイレから半ば叩き出されたKは・・・・元来た道を・・・さっきのT氏より更に肩を落として帰っていくのであった・・・。


そんな時でも私達は事の一部始終を撮影するのである・・・。


暫くすると・・・・トイレから半ば引きずられる様に対象者が出てくる・・・未だに・・・大声を上げて泣いている・・・。


T氏の背中には・・・・まるで「祭りの後」の様な空しさだけが・・・漂って見えた・・・。


「や・・・ヤバイ・・・タクシー呼ぶの忘れてた・・・」


慌てて電話をしようとすると・・・


T氏からの着信・・・


「はい、梅木です」


「あ!Tです・・・・・今回は本当にお世話になりました・・・」


「いえ・・・・とりあえず良く我慢されましたね・・・大丈夫ですか?奥様横にいらっしゃるんでしょう?」


「はい・・・・大丈夫です・・・それより梅木さん・・」


「何でしょう・・」


「今後の事で是非お話したい。これから・・・○○○フル(ファミレス)に来ては戴けませんか?」


「??私がですか?・・・・奥様も居るのに・・・?」


「はぁ・・・私・・・コイツにも相当頭にきてましてね・・・このまま家に帰っても子供達に申し訳無くて・・・・」


確かに・・・・このまま帰宅も無かろうとは一理ある・・・しかし・・・よりによって・・・


この状況の中・・・・対象者に会わなくてはいけないこの状況も如何なものか・・・汗


しかし・・・・逃げる訳にはいかない・・・・


「・・・・分かりました・・・・行きましょう・・・」


「本当ですか!!助かります!!!」


私は携帯を切った・・・


「Y君!」


「なんすか?」


「俺・・・・これからTさんと対象者に○ョイ○○○(ファミレス)で会ってくるよ・・・」


「マジすか!?社長・・・奥さんに殺されるかも知れませんよ・・・」


と言ってるY君の顔は・・・・・・笑っていた・・・ハムハムムキィ


「しょ~がね~だろ!!・・・・」


気が付くと・・・・綺麗な月明かりが見えていた・・・・。


今夜は・・・・長くなりそうである・・・・・・




(続く)