作業療法士のひとりごと 【エスカレーター『片側空け』と心のバリアフリー】 | OTPLUS*a |作業療法士・アロマセラピストのブログ|

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講座やワークショップを行なっています

駅や公共の場所のエスカレーターを
階段のように歩いたり
駆け上がったりすること、ありませんか?


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「歩くのなら階段を使えばいいのに」と
分かっていてもついついやっている方は
私自身も含めて多いと思います。


首都圏では右側、関西圏では左側が
「追い越し車線」という
暗黙のルールすら出来上がっています。
あたかもそれが『マナー』であるかの
ような風潮になっていますよね。
そもそも駆け上がる行為は論外ですが
歩いて上る人のためにわざわざ
行く手を譲る必要はあるのでしょうか。


駆け上がる人とぶつかったり
バッグや傘がひっかかったり
危険な目に遭った経験をお持ちの方や
無用なトラブルを避けるために
とりあえず『片側空け』している方も
たくさんおられるでしょう。


私自身の反省の意味も込めて
同業者たちの活動をシェアします。


クリックで記事にリンクします↓↓


身体に障害のない方は普段
エスカレーターを使う際に
「どちらの手で手すりを持つか」
ということについてまず
意識することはないと思います。
しかし、例えば
麻痺などの影響で片手が不自由な方
左右どちらかの足が不自由な方にとっては
「どちらの手でつかまるか」すなわち
左右どちら側に立つかということが
立位姿勢を安定させて、転倒することなく
安全にエスカレーターに乗るために
大変重要なことなのです。


リハビリテーションでは
安全に立ち、歩くために
杖をどちらの手でつくのか
つかまり立ちはどちらの手を使うと
より安定するのかということを
細かく評価していきます。
それらをトレーニングをした上で
「立つ」「移動する」という能力を
獲得されている方もおられます。


そのような方たちがもし
「それがマナーだから」
「トラブルを避けるために」といった理由で
気を遣い、リスクを犯してまでも
『片側空け』をしているのだとしたら?


私自身もセラピストとして
「危ないから、エレベーターを
使う方がいいですね」と
言わざるを得ないのが現状です。
それでは、リスクのある方は
エレベーターを利用すれば解決でしょうか。


便利、安全の名のもとに
すべてわけ隔てしてしまうことが
バリアフリーではないと思うのです。
もっともっと大切なことは
「ほんの少しの想像力」と
「多様性を認める寛容さ」
ではないでしょうか。