【答え】
世界最古の憲法
世界には現在、数え方にもよるけど、200ほどの国があります。英国など憲法そのものがない国もあるけれど、憲法がある国はどこも何回も改正を重ねています。ざっとあげても、ノルウェーやスイスは100回以上、日本と同じ敗戦国であるドイツも40回以上。そうした中で、60年以上一言一句たりとも改正をしたことがない日本国憲法は“世界最古の憲法”とも呼ばれています。
憲法といえども人間が作った人間社会のための法律である以上、制定された当時と状況が変わればこれを改正するのはアタリマエの話なのですが、日本においてはこれがアタリマエではないようです。つまり、日本人にとって憲法は“人間が作った人間社会のための法律”とは違うと考えられている。
日本国憲法は“一神教の経典”か
決して手を付けてはいけない法、というより、手をつけるなどという考えもおよばない法。ってこれは宗教の教典、特に一神教の教典ですね。キリスト教の聖書にしろ、ユダヤ教のタルムードにしろ、イスラム教のコーランにしろ、時代が変わったからとか、現状に合わなくなったからとかで改正しようとかいう話には全くならない。1000年以上もの間変わらないことにむしろ価値がある。さすがに現代社会にはそぐわない点も当然生じるわけですが、その場合は聖職者たちの責任において“解釈”を変える。
どうですか、まさに日本国憲法そのものの姿ではありませんか。
60年以上もの間変えなかったことに価値がある、現状と合わなくなったときは聖職者(内閣法制局)が解釈を変えることで乗り切る。
ついこの間まで、“改憲”とか言い続ければ、へたすりゃ政治生命まであやうくなったもんです。まさに一神教世界における邪教徒扱いだ。そういえばある護憲言論人は憲法に手を入れることを“憲法を汚す”と表現してたっけ。まさに彼女にとっては憲法は神様が日本人に、いや人間社会に授けてくれた神聖な教典以外の何物でもないのでしょう。
アメリカは経典を授けてくれた“神”なのか
9条を踏みにじる悪魔なのか
オッカシイのはその神聖な教典を実際に授けてくれたアメリカについては、9条さんたちはやれ暴力国家だとか、日本は追従するな、とかアメリカ軍基地は出て行け、とか言うんだからもう訳が分かんないです。アメリカはあなた達にとって神様なのか悪魔なのか、どっちなんだって。
“アメリカがくれたものだろうが良い物は良い、悪いものは悪い、”と9条さんはおっしゃる。たしかにそれはそうだ。しかし人間の作ったものである限り、常に点検と検証は必要でしょう。しかしあなた達は断固として9条の具体的検証を拒む。検証を提案した者をウヨクだ、ファシズムだとレッテルを貼ることで思考を停止する。で、次に出る台詞が、“じゃあ、自民党の憲法草案がいいっていうのか”って、そんな事言ってないっていうの。自民党草案がどうのこうのの前に、今目の前にある憲法を現実世界に照らしあわせてみましょうって言っても、聞く耳持たない。その姿勢が一神教の教典に対する信者と同じだと言ってるんですよ。
まあ宗教の世界でその教徒が神聖な教典をどう扱おうとも、異教徒がとやかく言う問題では無いのですが、憲法というのは俗世間の人間が俗世間のために作り、人間がいかように作り変えてもよいものだ(もちろん合法的・民主的手続きを経て)ということは是非理解していただきたいものです。世界中どこでもそうだし、特に日本には一神教はなじまない、八百万の神々の社会なのですから。