脱9条のススメ    護憲・リベラルのための憲法9条講座 -10ページ目

脱9条のススメ    護憲・リベラルのための憲法9条講座

かつてガチガチの9条平和主義者だった私がその大矛盾に気づいてしまいました。
様々なテーマでリベラルの視点から、具体的・論理的に脱9条論を展開します。

2016.7月 

  9条の呪縛

九条子: こんにちは

私: わわっ、九条子さん、いま帰ったと思ったらまた現
れた。ど、どうしたの。
   (安倍晋三は戦争がしたいのだという九条派の思い込み ・・・参照)

九条子; あの、私、さっきは急に帰ったりしてすみませんでした。なんか私、頭で理解できたことと、感情と、今まで信じてきたことがバラバラになってしまって、頭ガンガンして逃げるように帰ってしまって。なんかあのWさんみたいでしたね。

  『経済至上主義が戦争を導くのか・超絶9条人Wさんとの対話(実話)』
参照

私: そんなことないよ。九条子さんはちゃんと話を聞いて理解してくれたってことでしょう?Wさんなんか人の話全く聞かないで自分の思いを言い張るだけだもん。

九条子: 私帰りながら、それでも考えて、一つだけ反論を思いついたんです。

私: もしかして、集団的自衛権の事?

九条子: そうです。確かに日本には戦争する理由なんかない、すれば経済界はじめみんなが損をすることは理解しました。だから安倍首相も戦争なんかしたいわけがないことも。
でもアメリカの戦争に付き合わされることは避けられないんじゃないですか?特に安保法で集団的自衛権の行使が認められて、アメリカの戦争に付き合って世界の裏側まで行って自衛隊が戦争に加担することになるんじゃないですか。

私: うん、私もそのことを言い忘れたと気になっていたんだ。ただ、ほら、九条子さん急に帰っちゃうから。

九条子: すみません。

私: あ、いや、いいんだよ。その気持はスゴくよく分かるんだ。何しろこの私だって、九条の矛盾に気がついてからほんとに納得するまで10年かかったからね。

九条子: えっ、10年!

私: うん、そのくらい“9条の呪縛”ってのが強力なのは、よーく分かるんだ。その点九条子さんは若いからすぐに理解できたんだと思う。

九条子: うーん、10年!

  【9条の呪縛・良心的9条派はもがき苦しむ・がんばれ宇野常寛さん 】参照

  イラク戦争を批判した国・協力した国

私: 話を戻そう。アメリカの戦争、だったね。
アメリカの戦争といえば最近は何と言ってもイラク戦争だよね。
大量破壊兵器を理由にブッシュが前のめりに戦争を仕掛けて、日本もいち早く支持を表明した。結局大量破壊兵器は発見されなかったうえ、現在の中東大混乱の引き金になった。
 
九条子: そうです。でもイラク戦争の時は、日本は支持したとはいえ、戦闘には参加しなかった。でも次に同じような戦争をアメリカが始めたら、集団的自衛権で、ついに日本の自衛隊は海外で戦争することになるんじゃないですか。

私: 確かにイラク戦争は何処からどう見ても大義の全くない戦争だった。そのことはもはや世界の常識になっている。でもその判断について“結果として大量破壊兵器が見つからなかったから”って話になりがちなんだけど、ホントの問題は開戦の時点で国連の査察団がまだ調査中で、サダム・フセインも査察への協力を表明していたことなんだ。
だから結果論ではなくあの時点で査察の終了を待てば確実に戦争は回避できた。

九条子: でも誰もブッシュを止められなかった。

私: うん、結果としてそうなってしまったんだけど、ハッキリと開戦を非難した国があったのを九条子さんは知ってるかな。

九条子: ・・・いえ。

私: フランスとドイツとカナダ。この三国が明確にイラク開戦を非難したんだ。単なる不支持とかじゃなくてね。ブッシュを本気で思いとどまらせようとした。
言っとくけどこの三国は反米国じゃないよ。

九条子: はい、そのくらいは知ってます。

私: 三国とも、NATO (北大西洋条約機構)って軍事同盟の主要メンバーだ。もちろんアメリカも加盟している。当然お互い集団的自衛権を有している。さらにドイツとカナダには駐留米軍もある。更にはドイツは日本と同じ敗戦国だ。
そういう国がイラク戦争に真っ向反対を表明した。もちろん開戦後もこの3国は一切協力していない。戦後処理のPKOとかには参加したけどね。

一方で日本・英国・スペインなどは真っ先に開戦支持を表明した。言うまでもないがこの時日本には憲法九条もあったし集団的自衛権は認められていなかった。

九条子: はい。

私: こうしてイラク戦争開戦時を振り返ってみれば、“アメリカの戦争に巻き込まれること” と “集団的自衛権容認” との間には何の関係もないことがわかるだろう?集団的自衛権を持つ同盟国だって非難する国もあれば、集団的自衛権なくても支持する国もある。そもそも集団的自衛権は“権利”であって“義務”じゃない。同盟国の戦争に協力するかしないかはあくまで自国の判断だ。

  アメリカの戦争に巻き込まれないための要件とは

私: 世界最強最大の軍事同盟NATOの主要国で、もちろん集団的自衛権を保有していて、かつ米軍基地まであるようなドイツ・カナダがイラク戦争に反対出来て、日本は無条件に支持した。
この違いは何であるのかを考えることが“アメリカの戦争に巻き込まれない”為にどうすべきかを判断することになるんじゃないですか。九条子さんは何が違うと思う。

九条子: えーっと、全くわかりません。特にドイツなんて経済大国であること、敗戦国であること、米軍基地まであることなど、条件は日本とそっくりなのに、アメリカにNOと言えた。

私: その通り。ちなみに付け加えれば、コスタリカもいち早くイラク攻撃の“有志連合”に加わっている。

九条子: えっ、コスタリカといえば軍隊を持たない、日本がお手本にすべき“平和国家”なんじゃないですか?

私: それはオオウソ。いやもちろん“平和を愛する気持ち”は他国とど同様だろうけどね。治安警備隊という事実上の軍隊はあるし、非常時の徴兵制も規定されている。更には“米州機構”というアメリカとの軍事同盟にも加盟しているし、当然アメリカの核の傘の下にいる。そういう意味じゃ日本と安全保障上の共通点は多い。まあ、人口や経済規模は違うし、もちろん日本には徴兵制はないけどね。

九条子: もうますますさっぱりワケわかんなくなってきました。

私: 話を戻そう。“アメリカの戦争に巻き込まれないための要件”だ。
例えば九条子さんが知人からちょっとメンドウな頼まれごとがあって、九条子さんはできれば断りたい案件だったとしよう。それでも断れない相手っているでしょ?

九条子: そうですね、例えば日頃からお世話になりっぱなしで、これからもお世話になりそうで、なんにもお返し出来てない相手だったらチョット断れない。

私: そうだろ?お互い困ったときには助けあって貸し借りなしの関係だったら、やりたくない案件なら断れる。集団的自衛権もそういうことだと思う。アメリカと貸し借りなしの関係になるってことだ。

九条子: その例えはチョット無理があるんじゃないかなあ。日本はアメリカに広大な基地を提供してるし、思いやり予算まで差し出してる。むしろ日本のほうが貸しが多いんじゃないですか。  

私: 安全保障の根幹といえば“最後には武力をもって領土や国民の生命財産を守る”ことだろう?日本の場合、そういった外国からの脅威といえば、当面考えられるのは、尖閣問題だ。中国が尖閣周辺に様々な侵入を試みる度に、日本の政府首脳がアメリカまで飛んで、米国務長官やら大統領から“尖閣は日米安保の適用範囲だ”って言質をとって、直接国務長官たちに記者会見で声明を出してもらっていたものだ。ナゼだと思う?

九条子: 日本だけでは尖閣を守れないから、ですか。

私: と言うか能力的には自衛隊で充分さ。全面戦争にでもならない限り。ただ尖閣一つ武力で守るにも、何しろホラ、以前自衛隊は“戦っちゃいけない”ことになっていたから。中国軍が粛々と着岸して上陸しても日本は何もしちゃいけないわけだ。法律的に。まあ海上保安庁が沿岸警備の範囲内で精一杯のことはやるだろうけど、軍艦着岸して上陸する武装兵士を追い返すことなんか出来ない。
だからアメリカに頼るしかない。これが“戦っちゃいけない軍隊”の実態なんだ。

九条子:後はアメリカに頼るしかない、と。

私: ただアメリカだって尖閣ぐらいでほんとに来てくれるかなんて実はなんの保証もない。 

九条子: え、条約とかに明記されてないんですか。

私: たとえ明記されてたって、実際に来て戦ってくれるかどうかなんてわからないだろう?すっぽかされたって訴える先もないし、もちろん抗議くらいはできるけど、その先は何の見通しもない。

九条子: それじゃ何のための安保条約か、在日米軍かわからないじゃないですか。

私: 例えば九条子さんがアメリカに留学してアメリカ人の恋人ができたとしよう。

九条子: えっ、突然そういう話ですか。

私: その恋人は軍人なんだ。で、ある日、日本への出動命令が出る。“尖閣を守るために中国軍と戦ってこい”というわけだ。更には日本の自衛隊は“後方支援”しかしないという。九条子さんはどうする?

九条: そ、そ、そ、そ、そんな、そんなひどい話はないと思う。日本の領土守るのに日本の自衛隊は安全な任務だけして、アメリカ人の私の彼は命をかけて戦うなんて。それで死んでしまうかも知れないなんて。

私: でも日本はホラ、基地も提供してるし、思いやり予算も出してるから、貸しが多い。アメリカの若者の命差し出すぐらい当然なんじゃないの?さっき九条子さんが言ったのはそういうことでしょう?

九条子: そそそそ、それは、私、私、全面的に間違ってたと思う。

私: そうだろう。結局、戦っちゃいけない軍隊を持ちつつ、何かあればアメリカに戦ってもらうしかなく、日本はアメリカに何があっても、自衛隊は命をかけることは無い、って言う状況の中で日本に出来ることといえば、アメリカに尽くして尽くして尽くしまくることしかないわけだ。
具体的には金を出す、基地を提供する、そしてアメリカの外交方針、そして戦争にも全面的に支持を表明する。
イラク戦争にも無条件で支持を表明する以外選択肢など、無かった。
しかしそこまでやっても実際に守ってもらえるかは分からない。

九条子: ひどい。それじゃ植民地以下じゃないですか。

私: もちろん在日米軍基地はアメリカにもメリットがあるから、そうそう無茶な要求にはならないけどね。
話を戻そう。じゃあ、

フランスやカナダ・ドイツはなぜ、イラク戦争に反対できたのか、だ。

フランスは核保有国だからちょっと日本の参考にはならないけど、カナダ・ドイツはさっきも言ったように米軍基地もあってアメリカの核の傘の下にあってその点日本と同じ条件だ。それでもアメリカの戦争に断固NOを突きつけた。
日本とどこが違ったのだろう。

九条子: カナダやドイツの政治家に主体性があったってことですよね。日本の政治家は弱腰でいつもアメリカ追従だから。

私: うん、それは確かに重要ではある。でもそれだけじゃただの根性論になってしまうだろう。もちろん外交にも根性は必要だろうけど。問題はなぜカナダ・ドイツの政治家は主体性を持ててアメリカ追従にならないかってことだ。

九条子: ・・・はい。

私:  答えは簡単。ドイツやカナダは“戦ってもいい軍隊”を持っていて、自国の領土くらい自分で守れる。アメリカの核の傘の下にある一方で、アメリカに何かあればいつでも協力する用意があるってことだ。正義と合理性のある武力行使・戦争であればね。そこで対等な関係が成立する。そして正義と合理性の無い戦争には反対できる、ってことになる。

九条子: だったら日本も対等な関係になればいいじゃないですか。そうすればアメリカ批判も出来る。アメリカの戦争に巻き込まれることも無い。

私: そのとおり。だから安保法や集団的自衛権が必要なんだよ。これで日本も形としてはアメリカとより対等に近づいた。形の上ではドイツ・カナダ並みにね。最近は尖閣周辺を、初めて中国軍艦が通過したけど、以前のように政府首脳がアメリカすっ飛んでいって、声明を出してもらうこともしなかった。

九条子: えっと、じゃあ日本はこれからはアメリカの戦争に巻き込まれることはないってことですか。

私: それは違う。大儀の無い戦争は拒否し批判する“土台”がやっと出来たということだ。

これからまさに政治家やこれを選ぶ国民の主体性や根性や判断力が問われることになる。

現に英国はフランス同様、核保有国としてカナダやドイツに比べても対アメリカでより対等性を持っていたのに、ブレア内閣は主体性も判断力も根性もなかったために、日本と同様、アメリカ追従しか出来なかった。日本だってすぐに主体的判断ができる国になれるとは私も思っていない。

九条子: なーんだ、結局アメリカの戦争に巻きこまれるかも知れないんですね。

私: あのねえ、コレコレをすれば必ずコレコレの結果を得られるなんて魔法の杖は実社会にはないんだよ。
実社会において、会社経営だろうが恋人との関係だろうが子育てだろうが競技スポーツだろうが受験だろうが、よい結果をえようとすれば日々状況を把握して学習して工夫して努力しなければならない。主体性も根性も必要だ。それらを身に着けるには時間も必要だ。

一振りすればよい結果が得られる魔法の杖は存在しない。

九条派の人たちにとって見れば、9条さえ守ってれば戦争にならない、もちろんアメリカの戦争に巻き込まれることも無い、ってまさに9条は魔法の杖なんだろうけど、そしてその魔法の杖を世界に広めようってことなんだろうけど、そんな魔法の杖はおとぎの国にしかないんだ。

九条子: そんな、私たちは、おとぎの国の住人なんかじゃありません。


私: そうだね。九条子さんは私の話をちゃんと聞いて論理的に理解しようとしている。私にはもう九条子さんはおとぎの国の住人には見えない。
だからはっきり質問しよう。
憲法九条はこのままでいいのだろうか、安保法は日本を戦争に導く“戦争法”なのだろうか。

九条子: ううう、う、く、苦しい、と、と、とても今すぐには答えられません。でも今度はわけの分からんこと言ってぷいっと逃げるように帰ったりはしませんよ。
私は自分の頭でもっとよーーく考えて、確認すべきことは自分で調べて、自分なりの考えを持つことにします。そういうことで、今日はひとまず帰ります。
ごきげんよう。

私: お見事!

   ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

2016.9月 追記 1
 
 正に私の予言が的中!
 その後の日本の“独自外交”については以下の記事を御覧ください。

『脱米国追従外交は脱9条から始まる』


『日本の独自平和外交が国連安保理でも炸裂。9条派はカウボーイだったのか・考』

2017。2月 追記 2
 
トランプ政権の誕生で日本の独自外交路線がまたフリダシに戻ってしまった。
マチス米国防長官の来日で日本はまた“尖閣に安保適用”とか確認している。
常識もこれまでの実績も通用しないトランプのムチャクチャ外交はどうにかならんのか。とほほほ。

2017.2月 追記 3

これまでの日米安保を
「日本は、中国という強盗で強姦魔が怖いので、アメリカというDV夫のそばを離れられない女」と例えた方がいた。けだし明言である。
この例に合わせれば、今回の記事は正にその解決法と言える。
すなわち“DV夫と別れるにはまず自立することだ”って。


2016.12月 追記

   田嶋陽子氏 “自衛隊が南スーダンに戦争しに行った”


先日、テレビで田嶋陽子氏が言っていた。
“自衛隊が南スーダンに戦争しに行った。だって武器を持って行くってことは戦争するってことじゃない”
こうした妄言も、
“国家には戦争したい理由がある” 
“特に安倍晋三は戦争がしたいのだ”
との田嶋氏の思いこみが基盤にあるのは確実である。

番組ではこうした妄言を冷笑して終わりにしていたが、やはりしっかりと反論しておくことが重要である。まあ、何を言っても彼女は聞く耳持たないだろうが、聞く耳を持つ視聴者のために。


2016.7月

   脱9条ブログは“経済と戦争の関係”にこだわる


九条子: こんにちは。
 
私: ああ、九条さんのお嬢さん、お久しぶり。今日はどんな御用かな。

九条子: 最近このブログでは、“経済と戦争の関係”についてずいぶんこだわってますよね、“軍需産業も含めて、あらゆる経済界・産業界は戦争など望んでいない”って。
 (経済至上主義は戦争を導くのか ・ 参照)
 (
      戦争をすると軍需産業が儲かるだなんて池上彰さん間違ってるよ   ・・参照)
   

私: ああ、読んでくれたの、ありがとう。で、九条子さんとしてはどうなの。やっぱりWさんみたいにそんな話トテモ受け入れられない、か。

九条子: そんなことないです。私、、あの理屈はトテモよく解ります。まあ軍需産業までが戦争を回避したいってとこには最初チョットびっくりしたけど、それも今は理解したつもりです。

私: え、ほ、ホントなの。う、う、う・・・・。

九条子: え、あ、な、泣いてるんですか。

私: う、うん、いや、例のWさんの毒気に当てられて、ちょっと情緒不安定になってて。別に九条ソノモノを批判してるわけでもない、アタリマエの経済の話までが全く受け入れて貰えなくて、そのためにあえて軍需産業の話はWさんには出さなかったのに。一体九条界の人とはどう話せばいいのかとちょっと絶望的な気持ちになってね。そうかー。九条子さんは理解してくれたか。

九条子: 私一応、経済学部なもんで。
ただ、言わせてもらえば、あれに数字の裏付けとかデータとか添えてあれば完璧なんでしょうけど、まあ、学術論文じゃないし、論理建てがちゃんとしてるのと、“常識”の裏付けがあるってことで充分説得力のあるものだと思います。

私: うわあ、手厳しいなあ。そうかあ、九条子さんは学生さんだったのか。

九条子: はい、今日からそういう設定になったようです。ついでに名前も九条嬢あらため九条子ってことに。

私: あ、そ、そうなんだ。で、今日来たのはどういう用事で?


九条子: え、と、経済と戦争の関係については、あの通りだと思うんですけど
この“脱9条ブログ”であんなに繰り返しこだわってるのが、よくわからなくて。
“それについてはまた次回”とか書いてあったけど、その後なんにも説明ないし。

私: ああそうだったね、ごめんごめん。じゃあ、九条子さんがせっかく来てくれたんだから説明しよう。
   

  安倍晋三は戦争がしたいのか


私: あなた達九条派の皆さんは安倍晋三が戦争がしたくてしょうがないと思っているでしょう?

九条子: そりゃそうですよ。あんな戦争法案、強行採決したり、今度は憲法改正して日本を“戦争の出来る国”にしようとしてるじゃないですか。
 
私: じゃあ安倍晋三は何のためにそんなに戦争がしたいと思っているの。

九条子: そりゃあ戦争で儲ける大企業とかとつるんでるからでしょう?あれっ。

私: どうした?

九条子: えーと、えーと、戦争で儲ける大企業とかはないんでしたよね。

私: そうそう。

九条子: えーと、じゃあ、権力者のサガというか、戦争をして権力を示したいとか。

私: あるいは安倍晋三がサイコパスで庶民が虫けらのように死んでいくのを見るのが楽しくてしょうがないとか?
それじゃ“天空の城ラピュタ”に出てくるムスカだよ。

九条子: でも安倍総理のやってること見てると、そうかもしれないと思えてくるんですけど。

私: いや私だって安倍晋三がどういう性癖の持ち主かどうかなんて知らないよ。あったこともないし。でも問題は安倍晋三個人の資質がどうかなんて問題じゃないんだ。
たとえば、あなた達はアベノミクスを始めとする自民党の経済政策に批判的なわけでしょう?

九条子: そりゃそうです。大企業優遇で法人税は減税する一方で、庶民の給料は上がらず、おまけにブラック企業は野放しだし。私の友達でもブラックバイトで泣いてる人たくさんいますよ。

私: そんなに大企業優遇政策だったら、さっきの理屈から言って、大企業・経済界が損をする戦争なんかできるわけないじゃないか。たとえ安倍の資質がどうであれ、そんな戦争好きの首相を大企業・経済界が許さないでしょう?戦争すれば経済界が大損するのは九条子さんだって認めているんでしょう?大企業・経済界は許さない、あなた達はもちろん全否定しているアベがどうして戦争をしたがるの。首相でいられるの。


  “安保法”は“日本を戦争が出来る国”にしたのか


九条子: でも、でも、じゃあどうして安部総理は、“戦争法”を作ったんですか。あの法律はどう見ても日本を“戦争ができる国”にした法律ですよ。

私: 九条子さんは安保法、ちゃんと読んだの?

九条子: はい。一応法学部ですから。

私: えっ、経済学部じゃなかったの?

九条子: あ、いま急にそういう設定になったみたいです。

私: いいかげんな設定だなあ。まあいいや。
確かに安保法は“日本を戦争が出来る国”にした法律だ。

九条子: えっ、認めちゃうんですか。でも政府の答弁じゃそうは認めてませんよね。

私: そりゃ認めないだろうなあ、認めたらまた国会前に何万人も集まって選挙に響くし。ちゃんと説明する能力無いし。集まる方も聞く耳持たないし。
とにかく私がが説明しよう。九条子さんは聞く耳持っていそうだし。

確かに安保法は“戦争ができるための法律”だ。でも“戦争ができるための法律”と“戦争がしたい”は全く別モノでしょう?

九条子: えっ?戦争がしたくないのに戦争ができる法律作るなんてオカシイじゃないですか。

私: 例えば警察官は拳銃を携帯してるよね。捜査に携わる刑事とかはいつも持ってるわけじゃないけど、交番やパトカーにいる、いわゆるおまわりさんはいつも拳銃を持ち歩いている。いざとなったら目の前の犯罪者を撃つことも法的に認められている。

九条子: はい。

私: 最悪、犯人を殺してしまうこともあり得る。でもできるだけそうならないように法律で銃の使用については厳しく規定されているわけだ。でも使用は認めている。でもこれをもってこの規定を“おまわりさんが人殺しができる法律”っていうのは正しいだろうか。銃を持っているおまわりさんは人殺しがしたいのだろうか。持たしている国家権力はおまわりさんに人殺しをさせたいのだろうか。

九条子: そうじゃないと思う。

私: どうしてそう思う?

九条子:だっておまわりさんがそんな人殺しとかしたいと思っているワケないし、いくら国家権力でもさせたいと思ってるわけないし。第一そんな必要ないし。

私: そう、そんな必要ないんだ。じゃあ日本が戦争する必要はあるの?日本がどこかに戦争仕掛ける必要はあるの?大企業優先・経済優先のこの日本が戦争しかける理由なんて何処にもない。戦争をしない理由はいっぱいあるけどね。

九条子: じゃあどうして戦争法案作ったんですか。

私: えーと、九条子さんは自衛隊の存在は認めるんだっけ?

九条子: ・・・はい。前は憲法違反の自衛隊はあってはならないと思っていたけど、今はやはり必要かな、と。

私: ほう、それなら話は早い。じゃあまた“おまわりさんの拳銃”の話に戻るけど、おまわりさんが拳銃持ってるとどういういいことがあると思う?

九条子: そりゃ、目の前で刃物持って暴れてる犯人を取り押さえたり、逃走する犯人を止めたりするのに、“やめろ、さもないと撃つぞ”って、銃無しで言うより効果があると思います。

私: そうだね、実際に撃つことなど日本では殆ど無いけどそういう効果がある。
でもね、もしおまわりさんが銃は持ってはいても、撃つことが絶対に禁じられていたらどうだろう。

九条子: それじゃ何の効果もないと思う。だって刃物振り回して人を殺し続けても、あるいは逃走しても絶対に撃たれないんだから。

私: そうだろう。“撃っちゃいけない銃”なんて持っていたって何の役にも立たない。同じように“戦っちゃいけない自衛隊”なんて持っていたって何の役にも立たない。“戦っても良い”という法規定を作って初めて意味がある。別に“戦争がしたい”から“戦っても良い=戦争ができる”法規定を作ったことにはならない。
だって何しろ日本には自分から戦争をしたい理由なんて全くない、そのことを忘れてもらっちゃ困る。

“撃っちゃいけない銃”が犯罪者に全く怖くないように、“戦っちゃいけない自衛隊”なんて侵略軍にとっては全く怖くない。
村上龍の小説に“半島を出よ”ってのがあるんだけど、北朝鮮の特殊部隊が全く戦わず数十人でに九州を占領しちゃうんだ。何しろこの頃自衛隊は“戦っちゃいけない”ことに成っていたからね。そんな想定もしていない。アレは怖い話だよ。

とにかく自衛隊の必要性をを認めるのなら、“戦って良い”って法規定もセットであるべきだってこと。そして繰り返しになるけどそれは別に“安倍晋三が戦争がしたい”からなんかじゃ全くないってこと。

九条子: うーん、なんかウマく言いくるめられたような気もするけど、一応理屈は通っている、か。100パーセント納得したわけじゃないけど。

私: おお、さすが理工学部、論理的だ。

九条子: 法学部です。
 

   九条改正こそ立憲主義を取り戻すことである


私: まあいいや。とにかくあなた達の“9条守れ、戦争法反対”って運動は安倍晋三なり時の権力者は戦争がしたいのだっていう考えが、ベースにあるわけでしょう?でそういう権力者の暴走を止めるのが9条であり、それを支持する市民だって。

九条子: そうですね。

私: でもそのベースである“安倍晋三なり時の権力者が戦争をしたい”なんて全く根拠が無いってことはもう証明されたわけだ。むしろ現実は真逆、“経済界とつるんでいる安倍晋三なり権力者は絶対に戦争なんかしたくない”って。

だったらあんな形骸化した9条なんてさっさと改正して立憲主義を取り戻すべきじゃないか。

九条子: えっ、立憲主義を?

私: そうだよ。明確に“陸海空軍の軍備の保持を”禁止した憲法は、“自衛隊は必要”ていう大多数の国民の考えには相容れないんだ。だったら憲法を変えて、
例えば9条2項の後に“ただしこの規定は自衛軍の保持を規制するものではない”とか加筆するだけで、日本は立憲主義を取り戻すことができる。めでたしめでたし、じゃないか。

“憲法を守る”っていうのは何も一言一句変更しないってことじゃなく、“立憲主義を守る”っていう意味じゃないのか。つまり九条を改正して国民の多数派の考えに合わせて自衛隊の現状と憲法を一致させることじゃないのか。
今のように憲法に規定のない自衛隊が存在するなんて状態、憲法が禁じている軍備を保持しつつ国民もこれを容認しているなんて状態は、日本国憲法を侮辱してるじゃないか。

九条子: ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。

私: あれっ、9条子さん、どうしたの?

九条子: えっと、私、用事、思い出したんで、今日は、帰ります。

私: あらーっ、ぷいっと帰っちゃったよ。Wさんが乗り移ったか。 

   ・・・・・・・・・・・

 この続きは
 『集団的自衛権で日本はアメリカの戦争にさらに巻き込まれるのか
 を御覧ください。





 Wさん(女性・推定70歳)はスゴイ人である。

ふらりと現れて、ひとしきり世間話をした後、決まって政治的話題に入るWさん。
で、私が異論反論を述べると、ぷいっと帰ってしまう。
 数カ月経つと、またふらりと現れる。今度はおみやげをいっぱい持ってきてくれる。またひとしきり世間話をして、また政治的話題に入る。で、また私が異論反論を述べるとまたぷいっと帰ってしまう。
 そんなことが数回続いて、またおみやげ持って現れた時は、さすがに私と同居人は絶句して顔を見合わせてしまった。さすがにWさんも異変を感じてその時は世間話にも入らず、ぷいっと帰ってしまった。

 あれから何年経ったろう。突然Wさんがおみやげ持って現れた。ひとしきり世間話をした後、また始まった。
 “だいたい、こっちで戦争しといて平和の為とか言ってるんだからふざけてるわよね”
 で、私、
 “ちょっと待ってよWさん、そうやって政治的話題に入るのは全然構わないんだけどさ、それ始めたら、こちらの反論もちゃんと聞きなよ。私が反論するといつもぷいっと帰っちゃうんだから。あれってスゴイ感じ悪いし、政治信条以前に、人間として大変失礼だよ。”
 するとWさん、またぷいっと帰ろうとする。さっさと車に乗り込む。私、追いかけて行って、
 “もーっ、いい加減にしてよ。自分の言いたいことだけ言って帰るのはナシだってば。ささ、エンジン止めて降りてきて。中に入りなよ。”

   経済至上主義が戦争を導くのよ・・・Wさん
   それは全くちがうね。・・・私

  私: で、戦争がどうしたって?

Wさん: 平気で戦争してる人間が平和のためとか言ってるのはオカシイってことよ。

  私: えっ、と、もっと具体的に言ってくれないと何のことだか解らないんだけど。

Wさん: 今みたいな経済至上主義が戦争を導くのよ。

  私: それは全く違うね。経済至上主義は戦争を押しとどめる力になるんだよ。あらゆる経済活動にとって戦争くらい邪魔なものはないんだから。戦争は市場を破壊するし、生産拠点を破壊するし、輸送ルートも破壊する。当然株価も暴落する。金儲けしたい経済人にとって戦争なんか絶対反対なんだよ。

Wさん: だって経済至上主義はヒトの心も社会も破壊するじゃない。ヒトの心の豊かさをどんどん奪ってゆくのよ。

  私: いや、そういう人生哲学や社会哲学のハナシじゃなくてさ。戦争と経済との関係の話でしょう?どういうスジミチで“経済至上主義が戦争に導く”のかって説明してよ。

Wさん: だって兵器産業やその部品つくれば戦争に結びつくじゃない。

  私: ああ、軍需産業を儲けさせるために政治家は戦争をしたがるって話ね。

Wさん: そうそう。

  私: 確かにね、あらゆる産業界はより大きく儲けるために、政治にいろんな圧力をかけるさ。でね、仮に軍需産業界も、より儲けるために政治に圧力をかけて戦争をさせようとするとしよう。  実際にはこれもマチガイなんだけど
戦争をすると軍需産業が儲かるだなんて 、池上彰さん間違ってるよ ・・・参照)、あくまで仮に、そういう圧力が有効だったとしても、少なくとも軍需産業以外の産業にとっては、さっき言ったように、戦争なんてメイワクなだけなんだよ。特にそういう、政治に圧力をかけられるほどの大企業であれば、よけいに世界のいたるところが市場であり、生産拠点が在り、輸送ルートであるわけだからね。そのうちどこかが戦場になれば大損害を被るわけ。
 つまりそういう一般産業界にとっては戦争をさせないこと、こそが有効な政治的圧力になるわけでしょう。

Wさん: でも軍需産業は世界を股にかけた巨大産業じゃない。それに比べれば他の産業界なんて ちっぽけなものよ。

  私: 全産業の中の軍需産業の占める割合を算出するのは難しいけどさ、例えば日本の場合、軍事予算はGDPの約1%、軍事大国アメリカでも5%。つまり、ゴクゴク大雑把に言っちゃえば全産業の中の軍需産業の占める割合ってそんなもんなわけ。つまり政治に対する発言力だってそれに比例すると考えていいでしょう。全産業の95%以上は戦争したくないって言ってるのに、残りの数%の政治的圧力で戦争なんかできっこないでしょう。

Wさん: だってそもそも“思いやり予算”ひとつとってみても・・・

  私: ちょっと待ってよ、今話してるのは戦争と経済の関係。思いやり予算の話はそれが一段落してからにしましょう。

Wさん: だって全てのことはつながってるのよ。

  私: 確かに全てのことはつながってるし、さっきの話みたいに“経済至上主義は人間社会を幸福にするか”みたいな話なら、様々な面から考えなくちゃ行けないけど、今の議題はそんな複雑なものじゃなくて、ゴク単純な話。“経済至上主義は戦争を導くのか、戦争を押しとどめるのか”、それだけの話。Wさんが、戦争を導くというのならそのミチスジを示すなり実例を示すなりしてくださいな。あるいは私の示したリクツの矛盾点を指摘してくれてもいい。

   確かにかつては経済界が戦争で大儲けした時代があった

Wさん: 日本は三井三菱を始めとした大財閥が戦前戦後を通じて生き延びて今もある。そういう国なのよ。

  私: それはその通り。異議なし。あ、そういう大財閥がかつて政商として戦争で大儲けしたって 話?

Wさん: そうよ、わかってるじゃない。それが今でも続いてるじゃない。

  私: はい、確かにかつて戦争で一部の経済界が大儲けした時代はあった。いや、一部の財界に限らず、敗戦後の日本の経済復興を助けたのは朝鮮戦争特需だったと言われている。そういう意味でWさんの言うようにこの時代は確かに経済至上主義が戦争を導く事もありえたといえる。

  新興国の誕生が世界経済を活性化させる

 でも今は時代が違うんだ。グローバル経済の時代、さっきも言ったように企業は世界中を市場にし、また生産拠点を置き、輸送ルートをおいている。それだけじゃない。もっと大きな問題は“新興国”って概念が生まれたってこと。かつては市場といえば基本的に先進国しか無かったわけだけど、今は違う。新興国がいかに巨大市場になりうるか、が世界の経済成長のカギなわけ。つまりかつては先進国にとって、後進国は植民地として“搾取するための存在”か、せいぜい“安い労働力の生産拠点”でしかなかった。でも今や後進国が、新興国として巨大市場に生まれ変わる事こそが、世界経済をより活性化することに世界は気がついたわけだ。

 そのための絶対必要条件が、“後進国”が貧困と紛争を克服して安定した社会を築き、経済成長すること。そうなることでこの“後進国”は“新興国”となって世界の“市場”に加わることになる。そうすればWさんのキライな大企業も大財閥もウハウハ儲かるってわけ。 で、そうなるためにも新興国が戦場になんかなったら大企業大財閥は大損こいてしまうと。だから経済至上主義は戦争のハドメになるってリクツ。
 どこかオカシイところがあったらどうぞ指摘してくださいな。

Wさん: 私はおおざっぱな人間だからそういう細かい理屈は得意じゃないのよ。何しろ江戸っ子だし。三代続いたホントの江戸っ子なのよ。江戸っ子は細かいリクツなっんかどうでもいいのよ。

 私:えーっと、県民性っていうのは確かにあるでしょう。そういうことを学術的に研究したり、あるいはケンミンショーみたいにバラエティで楽しんだりは私も好きな分野だけど、今話してるのは“戦争と経済の関係”。県民性は関係ありません。
話をそらさないようにね。
それに別にデータを出して細かい話をしろって言ってるわけでもない。大雑把でいいから、“経済至上主義が戦争を導く”事の説明をしてくださいな。

Wさん:とにかく私にはわかるのよ。経済至上主義が戦争を導くって。理屈抜きに私にはわかるの。

  私: ななな、何を言ってるんだよ。反論があるんなら理屈を言うしかないでしょう。理屈が苦手な ら実例を示しなよ。経済至上主義が戦争を導いたっていう実例をさ。

Wさん: 実例といえば、戦争も経済も世界を悪くしてるのはみんな男じゃない。私は女に生まれたことをほんとに誇りに思うわ。

  私: あのねえ、Wさんが自分の性を誇りに思うのはそれはそれで素敵なことかもしれないけど、今、話してるのは“戦争と経済の関係”でしょう。もう、スグに話をそらすんだから。
 反論できないなら、私の方の実例を出そう。

    中国と戦争しろっていう経済人なんかいない

 中国はかつては巨大な後進国でしか無くて、革命後も戦争と革命が大好きな毛沢東達によって国内は常に混乱していた、世界経済に何の影響も無いような国だったわけだ。
 それが 鄧小平の時代になって“富めるところから富め”の方針のもと自由経済を導入して、あっという間に世界の生産拠点と成って、また世界一の巨大市場になった。おかげで世界の経済成長はすっかり中国頼み。中国には絶対ポシャってほしくないってのが世界経済の願いなわけ。もちろん中国が戦場になるなんてもってのほか。正に経済至上主義が戦争を抑止してるって実例でしょう。

 日本での個人爆買いもすごいけど、こないだは習近平がアメリカ行って、エアバス300機注文してたもんね。もう絶対に中国と戦争しろっていう経済人なんか居るわけ無いでしょう? 
 で、もちろん他の新興国も中国に続いてもらうのが世界の経済界にとっての切実な願いなわけよ。世界に70億の巨大市場が出来る事がね。
 はい、反論があったらお願いします。

Wさん: もう、そんなに怒らないでよ。

  私: 怒ってないけど怒りたくもなるよ。自分で話題を出しておいてこちらの反論には何も答えずに話は逸らすはヒトを“怒ってる”扱いはするは。

Wさん: だって世の中戦争だらけじゃない、日本だってホラ。

  私: えっ、日本のどこが戦争なの?

Wさん: 日々自由が奪われてゆくこの日本、正に戦争じゃない。

  私: ななな、何を言ってるの。勝手にコトバを定義しないでよ。フツウに国語辞典に載っている定義で議論しましょうよ。戦争ってのは“国家間の紛争を武力をもって解決すること”。
 第一また議題がずれている。戦争と経済の話でしょうが。
 じゃあ私からもう一つ実例を出そう。

 何ヶ月前だかにロシアの戦闘機がトルコに撃墜されたんだ。トルコの領空を侵犯したってね。
 これはエライ事になったと思ったよ。相手は何しろあのプーチンだ。オマケにトルコの大統領もプーチンに引けをとらないマッチョがウリのエルドアン。こりゃあ戦争は避けられないかも、と、思っていたら、最近なんとトルコ側が、撃墜を、現場の個人の責任ってことにして謝罪。当時は確かにエルドアン、“繰り返されるロシアの領空侵犯を絶対許さない”って言ってたのにね。もちろんトルコという国として。

 何が起こったかといえばやはり経済。隣国として敵対関係が長い歴史がある一方で、観光客とか農産物とかエネルギーとか、経済はお互いモノスゴク依存していて、とうとうトルコが音を上げたってこと。ロシア側にしてもこの間報復に出なかったってことはやはり戦争には持ち込みたくなかったってことだよね。トルコが頭下げるのをじっと待っていたってことだ。正に経済至上主義が戦争を押しとどめたってこと。はい。反論をどうぞ。

Wさん: そんなトルコもロシアも行ったことないから、私にはわからないわ。私は自分の目で見たものしか信じないことにしてるの。

  私: ななな、何と。じゃあさっきWさんは“思いやり予算”の話とか持ちだしたけど、思いやり予算の受け渡しは自分の目で見たっていうの?

Wさん: だって思いやり予算はほんとにあるじゃない。トルコのことなんか知らないけど。

  私: 結局それなんだよね。自分の妄想に都合のいい話は無条件に取り入れて都合の悪い情報はなかったことにしてしまう。

Wさん: 妄想じゃないわよ。

  私: 一言の説明もできない、反論や検証に答えられない、実例も出せないような話は妄想っていうんですよ。STAP細胞と同じ。
 まあWさんはそうやってずっと“おとぎの国”で生きてゆくんだろうね。これまでと同じように。
 私はもうおとぎの国の住人とは話せないや。

Wさん: はい、じゃあもう帰るね。
   
   おとぎの国の平和主義者へ

 私: (独白)Wさん、Wさんは戦争を無くしたいんでしょう?私は脱9条派だけどその気持は全く同じだよ。でもね、現実に戦争を無くしたいのなら、現実の戦争のこと、どうして戦争は起こるのか、どうしたら起こらないのか、もっと貪欲に知ろうとすべきじゃないか。
 今日私がした話はおそらく初めて聞く内容だったのだろう。スグには受け入れられない気持ちはわかるよ。でもね、現代においては全く適用できないような古典的戦争観にしがみついていては、現代の戦争は止められないんだよ。九条にしがみついて武器を捨てて力の空白を作ったりしようというのは、戦争を誘致してしまうんだよ。
 いま世界で起きている戦争・紛争・“力による現状の変更”は全て“力の空白”下で起きているんだ。経済よりも“力”が支配してしまう地域で起こされているんだよ。
 イラク・シリア・南シナ海・パレスチナ・ウクライナ、みんなそうだ。
 でもそんな現実の話にはWさんは興味ないんだろうね。九条という“おとぎの国”に暮らしていれば何も見ずに何も考えずに平和主義者を自負していられるもんね。

     ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 このブログには時々九条氏・九条夫人・九条子なる人物が登場して私と対話する。もちろん“コマッタ九条人”として私が創造した架空の人物である。
しかし今回のWさん、本当に実在する人物で、対話の中身も実話である。
 私が一生懸命創作した“トンデモさん”など、しょせん論理的産物。実在の九条さんは更に上を行くトンデモぶりだったのだ。

 正に“事実は小説よりも奇なり”。