認知症のメカニズムに
常同行動がある。

同じ事を何度も言う、訊く、する。

このおばあちゃんは、
何度も居室とトイレを行き来する。
そしてペーパーを巻き取っては大事そうに
パジャマのポケットにしまう。

私の事を『先生』と呼ばれる。

先生、はい!と
巻き取ったペーパーを渡される。

『これはこれは。』
ありがとうございます。

と、答える。いただく。
良いのか悪いのか分からない。

ただ
貰わなければたいそう
悲しい顔をされる。

おふくろの顔が重なる

これがひと晩に4~5回繰り返される。

当然翌朝のトイレットペーパーは、
空になる。

たっぷりお昼寝されたのか?

なかなかお休みにならない。そしてまた

『先生・・・!』

仕事とはいえ

やるせない夜である。