落とした涙
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聡美

「ゆり!おはよう!」

「聡美!おはよう!」



聡美とは、中学から一緒だけど同じ高校に入ってから仲良くなった一番の親友。

「ねぇ、あの話しどうなった?」


聡美が私の顔を覗き込むように聞いてきた。


「あの話しって?」


「またぁー、とぼけるのうまいんだから!」


「別にとぼけてるわけじゃないよ。たださぁ...その話し場所選んでよ」


「ごめん!なら、今日二人で裏庭でお昼食べよう!その時に聞かせてよ!」


「...聡美さぁー...私のあんな話し聞いて楽しい?」


「楽しいから聞きたいんじゃん!つまらない話し聞きたがる人なんていないでしょ?」


「まぁ、そうだけど。」


「とにかくお昼頼んだよ!」


聡美は、手を振りながら教室へ戻った。


ゆり

みんな、ごめんね。
















「ゆり、早く起きなさい!」


毎日同じ時間に携帯で目覚ましセットしてるくせに、ママの声が一番の目覚まし。



「いってきまーす」



中学生の時に買ってもらった自転車にまたがり、また今日も同じ道を通り学校へ通う。


毎日同じ時間に家を出ると毎朝同じ人に同じ場所であって、心の中で

オハヨー。

なんて言ったりして。


多分相手も


あっ、毎朝会う子だ。


位思ってるのかな。




市内の高校に通い出して二年目。


あの日まで私は、普通の女の子で普通の高校生だったんだ。


あの人に会うまでは。