ゆり | 落とした涙

ゆり

みんな、ごめんね。
















「ゆり、早く起きなさい!」


毎日同じ時間に携帯で目覚ましセットしてるくせに、ママの声が一番の目覚まし。



「いってきまーす」



中学生の時に買ってもらった自転車にまたがり、また今日も同じ道を通り学校へ通う。


毎日同じ時間に家を出ると毎朝同じ人に同じ場所であって、心の中で

オハヨー。

なんて言ったりして。


多分相手も


あっ、毎朝会う子だ。


位思ってるのかな。




市内の高校に通い出して二年目。


あの日まで私は、普通の女の子で普通の高校生だったんだ。


あの人に会うまでは。