前回からの続き

 

2回目の通院で治療が始まった。
相変わらず抜歯を余儀なくされた奥歯くんは快適に暮らしている。
何事もなかったように私の口の中にいて、毎日働いてくれている。ありがたいことだ。

前回の時に穴ぼこが空いていた部分に仮りでセメントを詰めてもらったので、より快適に暮らせている。

はじめの先生は歯肉が飛び出ているので、蓋をすると痛みが出たりするので、そのまま開放状態でいきましょう。と・・・・穴ぼこがあいたまま放置だったので、噛む事はできなかった。穴ぼこにご飯詰まるし(^-^;

今回の先生は今、症状がないので問題ないでしょう。と蓋をしてくれたのだ。だからご飯も難なく食べる事ができた10日間だった。

 

治療開始。蓋を外して、歯のお掃除。
何度も治療をしている歯なので、詰め物の残りや飛び出た歯肉をキレイに削ってお掃除をして、ヒビの部分であろうとされる部分を削り歯の真ん中を開けて支柱を立てて土台を作る。
30分程度で終わり、次の予約をして帰宅。

3回目、、、、、土台の上に歯を作る。被せるのではなく樹脂を被せてセメントで接着してから熱をかけて歯を作っていく感じ。飴細工と同じです。
そんなこんなで30分で完了。

今回の治療はこれで終了です。また何かあったらご連絡くださいと。受付でも特に次の予約をすすめるわけでなく「お疲れさまでした~」という事で終わり。

 

なんだかあっけにとられた。
通院日数はカウンセリングの1日を含めて合計3日、時間としてはトータルで90分。

金額はカウンセリングの日の治療費2,100円と歯の治療代21,000円のみ・・・・合計23,100円

 

23万円の間違いか???(笑)違う・・・・
無駄なレントゲンも薬もなく、仕事をワザワザ休む事もなかった。

それで抜歯寸前だった奥歯くんはまた現役として復帰した。
もうかれこれ1か月以上たつが、快適に過ごしているし、普通に食べて咀嚼も問題ない。

ただ歯そのものは健全ではないので、労わって使ってあげてくださいと先生から言われているので、硬いものは反対の奥歯で噛むようにしている。

できるだけ長く私の口の中で働いてもらいたいので、優しく使ってあげようと思う。


かかりつけ医の先生の言う通りにしていたら、今回の治療とはくらべものにならないくらいの大事になっていた。

 

往復4時間もかかる口腔外科に通う事になり、CT撮影をし、ヒビの具合次第では歯の半分を残す事はできたかもしれないが、いずれにしても全抜歯か半抜歯。

 

その手術の時には入院。必然的に会社は休む事になる。

 

それから歯茎が落ち着いたら歯を作る。これは安く見積もっても20万円(もっとしたかもしれない)

それも往復4時間・・・・・・を何回通う事になったか(^_^;)

 

その先生の判断が間違っていると言っているわけではない。

恐らく・・・・想像するに、その先生は口腔外科に凄腕の仲の良い先輩医師がいるので、何かちょっと難しいケースがあったら、すぐにそちらを紹介して自分では治療をしないので、技術が向上していかないのではないかと思う。

 

極々一般的な治療しかやらないのだろう。

 

今回、治してくれた先生はおとりさんのケースは、通常口腔外科に行ってしまうと抜かれてしまう事は間違いありません。

 

口腔外科という所は基本的にはそういう所ですから。

しかしながら充分に歯を温存できるケースだと。とも言っていた。

 

歯科は通常の内科や外科などの病院と違って、歯科医によって治療法がさまざまであるという事が顕著に表れる科なんだそうだ。

 

またこの先生のHPには歯科治療に対する基本的な考え方として、来院されたすべての方に最善・最良の治療を提供したいと考えております.最善・最良の治療をするのは歯科医として当然のことではないか、とお思いになるかもしれませんが、実はこれが結構難しいのです.

それはすべての人に共通する「最善・最良の歯科治療」が存在するわけではないからです.

と書かれている。

そう共通する治療法はない。その事が今回の件でよくわかり、本当に勉強になった。

自分の体の事は自分でしっかりと考えて、物事を選択していく事が大事だと。

医療側がすべて正解という事ではないという事を頭の片隅に置いておく必要がある。

現在の日本医療界にはたくさんの医師がいるが、すべてが同じ判断ができて、同じ技量ではないという事。

そしてそれぞれの分野で必要なスキルは違ってくるという事だ。抜歯を進めた先生も悪い先生ではない。思想的にも悪くない、自分の技術を過信していない。

話がし易い分、患者側はリラックできて、いろいろな事が聞きやすい。

極々一般的な町の歯科医だ。

ただ極々一般的な町の歯科医という技量にも関わらず、自費診療だという事が致命的な部分で、そこで患者が間違える。

自費診療をやっているところは医師としてのある程度の技量を持ち、自信があると勘違いしてしまうのだ。

現在の保険診療の限界を感じ、保険診療で行う治療が患者さんのためにならないという思想の元で行っているのあればいいのだが、そうとも限らないケースが多いというのが現実だ。

保険診療だけでは経営がやっていけない。

この現実が不要に抜歯→インプラントという流れを作ってしまっている。

抜歯を進めた先生はインプラント否定派なので、抜歯を進めても、抜いたあとはブリッジや入れ歯になるのだが・・・・それでも自費のブリッジはかなり高価なものになる。

今、ちゃんと考えると色々な事が見えてくるものだ。

 

40年歯科助手をしている知人が断言している。

 

年齢がいけばいくほど、歯科は近くて安いが一番いいですよ・・・と。

加齢に伴い、口腔内はどんどん劣化していくものですから、すぐに通えて、すぐに治療できる安価なものがいいのです。。。。。と。。。そう言われれば確かにそうだ。

 

高価な歯を入れてしまうと、トラブルがあっても、高価な歯をやり直すのに躊躇してしまう。(患者も医師も)

 

加齢に伴う歯のトラブルはその躊躇を待ってくれない・・・・

 

あと、インプラントもしない方がいいと言っていた。昨今トラブルがホント多いらしい。

 

その事はまた次回にでも。