2021年4月1日(木)日経朝刊13面(国際2)に「米メタン排出、コロナ禍前水準 シェール採掘再開引き金」との記事あり。

米国最大の油田で採掘が再開され、強力な温暖化ガスであるメタンガスの排出量が新型コロナウイルス禍以前の水準に戻っている

石油・ガス生産者への風当たりが強まり、気候変動に関する重要な国際会議を控えるバイデン政権が大胆な規制に出る可能性もある

温室効果が最大で二酸化炭素(CO2)の80倍に及ぶメタンは、油田を採掘する際に発生し、処理しないと大気中に放出される。

2020年は石油・ガスの需要減で米国全域で排出が急減していた。

だが、環境団体、環境防衛基金(EDF)が収集したデータに基づく分析結果によると、南部テキサス、ニューメキシコ両州にまたがるパーミアン盆地の油田では、最近の原油価格の回復を受けて採掘再開の動きが広がり、排出量はコロナ禍前の水準に戻っている。

米国の原油価格は1バレル約60ドル(約6600円)に上昇、ほとんどの新規掘削で採算が取れる状況となり、生産回復に拍車がかかっている。

21年はこのまま採掘が増え続けるため、メタン排出量はさらに増える見通しだ。

投資家は、シェール企業が収益を高め、気候変動リスクに耐えられるようにするため、業界に一層の排出削減を迫っている。

しかし、石油メジャーから数十もの零細企業がひしめくパーミアン盆地において、排出削減の目標設定は広く浸透していない。

ダラス連邦準備銀行の最近の調査によると、メタン排出削減計画があると回答したのは大手では半数、中小では30%にとどまる。

そうしたなか、同基金は、11月の第26回国連気候変動枠組み条約締約国会議(COP26)に向けて米国が新たな温暖化ガス削減目標を示す際、石油・ガス生産に伴うメタン排出の削減目標も打ち出すようバイデン政権に求めている。

「メタンの排出削減は温暖化のペースを遅らせることができる最も有効な手段だ」と、同基金の上級気候科学者イリッサ・オコ氏は述べている。