「そうか、本をありがとう。今はゆっくり休んだらいいよ。」
叔父さんは今にも泣きだしそうな顔をしていた。
いつもの『いかれたマジシャン』の姿はない。
娘を心配する平凡な父親である。
「うん、そうだね。それとまたいつもの夢を見ていた。
でも今回はちょっと違っていたよ。」
「レナ、良い夢ならその通りになるし、
嫌な夢ならおれが引き受けてやるぞ。」
レナにいいところを見せたくて俺は言った。
「正義、ありがとう。私の病気は治るのかしら。」
「いや、もう治っている。
三神病院に入院しているんだからな。」
「また正義をどつくこともできるね。」
「ああ、いつでもオーケーだぜ。」
俺とレナが話をしているとドアをノックする音がして、
昇兄さんが入ってきた。時刻は九時近くだった。
「レナ、目が覚めたか。」
「大きいお兄ちゃんありがとう。」
「レナの為なら何でもするからな。
そうだ、血液検査を行った。
その結果血中に腫瘍細胞が見つからなかった。
もう大丈夫だ。
安心して体力が回復するまで休んだらいい。」




