アムマがいなくなってからすぐに、気がつけばキカとルキの部屋のベランダの境には、光の扉が現れました。

扉がゆっくりと開き、ほんとうにキランが来ていました。

「キランちゃん!会いたかったよー!」
二人はキランに抱きつきました。

「2人とも、またアムマに怒られてたんだー」
キランはいいました。

「だってー!キランちゃんが来る時間なのにさー
アムマいっつも寝なさいっていうんだよー」

「ふふ、ルキはすごいね、あたしが来るってよくわかったね」
キランはそういいました。

「今日、キランちゃん、大事な用があるの?」
「うん、どうしてわかったの?」


「星が言ってたのー」

「そうかーあのね、これ」
と言って、キランは四角い小さな青い石をキカの頭にのせました。

「なあに、これ」
「これはアタシの石だよ。預けるから持っていてほしいの」
「キランちゃんの石・・・?」

「うん。そうだよ。よーくきいてね。
あたしのこの石をキカたちに預ける。

 

あのね、もうすぐに、もうひとり妹がうまれるんだよ」

 

 

「えー!

妹がくるのー!?」

 

「うん、でね、そしたらこの石をセイに渡してほしいんだ。
それまで2人で大事に守ってほしいの」

 

「キカが持ってるの?」

 

「うんそうだよ」


「わかった、キランちゃんのお願い!」

「よかった・・・・。
あとひとつ、それまで絶対に誰にもこのことを言わないでほしいの」

「だれにもー?お母さまにも?」


「うん、お母さまにも誰にも!」

「わかったーいわないーいわないよー秘密だもーン」
「なんにもいっちゃ、だめなんだよー秘密だ秘密だー」
「さんにんのひみつー!」
2人はしーっといいながら飛び上がりました。


そうして3人で指切りをして、約束をしました。

「もう時間がないから、そろそろ帰らなくちゃ」
キランは言いました。

「キランちゃん、また会える?」2人はいいました。
すると少しさみしそうにキランは微笑みました。


そうして、また境目の見えない扉からいなくなりました。



そのとき扉が開き、怖い顔のアムマが入ってきました。
「お嬢様!ベッドにはいりなさいって、先程お願いしましたよね!!?」

「だ、だ、だって、今キランちゃんが…大事なおはなししたから・・・」

「キカ!秘密!しーーーー!!」
ルキは内緒にすることを思い出して叫びました。

アムマも、なんだか、すごい顔だったので、二人は大急ぎでベッドの中にもぐりこみました。
「オヤスミナサーーーーイイ!!」

アムマは、やれやれと部屋を出て行きました。

そうして、心配そうな顔をしながら廊下のところで少し考えていましたが、やはり奥様にあした相談しよう・・・と、決めたのでした。